緑の中で深呼吸したいと思う時がある

鎌倉山往復には時間がないときは、片瀬山の新林公園へ行く

朝か夕方前がいい

木漏れ日や光が透けた美しい葉を見上げながら深呼吸するのが好きだ

吐く息と一緒に悪いものが出て行く感じがする

深く息を吸う

森の気が心を整えてくれる

何度も何度も深呼吸を繰り返す

そのうちに自分が森の一部になったような気がしてきて

ここから出られないのではないかと怖くなることもある。木間の薄暗い空間から別の世界に迷い込みそうな気がする

蝉の声ももう聞こえない森の中で、たまにすれ違う方がこんにちはと声をかけてくださる

こんにちはと軽く会釈をする
ああ、よかった
ああ、よかった
ひとがいるとホッとして
森の先にある公園へ走り出す

夕方の公園は子供たちの笑い声に溢れていた。さっきまでいた森はほんとうにあったのかと振り返る