ブタっちょ

身体中に、とてつもない怒りがこみあげてくる！
なんだなんだ？
誰か来た！
クソ生命体、ブタっちょだ！

店に入るなり、わざとらしく土下座して「ゆるして下さい〜〜」と叫ぶブタっちょ。
そう、ブタっちょの野郎が掲示板に、頭に来る事を書き続けていたのでオレが怒り、さすがに空気の読めないブタ人間でさえもマズイと思ったようで、詫びをいれに来たのだ。
あやまられても知るかこの野郎！
しかも、いつもこーゆー時は「鶏の穴」で鶏刺しをおごらされるのがわかっているので、ちゃんと「鶏の穴」定休日をねらってショットガンに来るという用意周到さだ。

このクソブタ〜、ただで許すと思うなよ！

「おいブタっちょ、人が誠意を見せる時は肉だろう！肉買ってこい！お前が買ってきた肉のランクを見て、『ボクはこれくらい反省してます』って気持ちをくみとってやるぜ！」と告げる。
「わかったよ、シモっちょ〜」と、東急ストアに走るブタっちょ。
ふふ、皆様から頂いた酒はたっぷりあるし、今夜は自宅でしゃぶしゃぶでもやるか。
わざわざ土下座までしに来たブタっちょだ、いくらバカでも、最高級の肉を選ぶだろう…。

「シモっちょぉ、買ってきたぜ！」
ブタっちょから手渡された肉！それは！
ちっぽけな豚肉の切り落としが1パック！
このブタ！ナメてんのか！こんなもんで許せるか！
何か他にオレにメリットがある事は………そうだ！
「おいブタ！今からオレが、この店にあるステキなフィギュアをみつくろってやるからお前は黙ってそれを全部買え！最高のコレクションになるぞ！」
店内で、まったく売れなくなったプライズ景品、それも、同じモノを何個も袋に詰め、アっと言う間に1万円分のお買い物を作りあげるオレ。
「できたぞ！1万円だ！ステキだぞ！」と言うと、
「カンベンしてくれよー、こんなのいらねーよー」と反抗しやがるブタっちょ！
「何言ってやがる！プロレスラーの若手だったら、ヘマやらかしたらスクワット何千回もやらされるか、食らわされるかなんだよ！フィギュア屋のウチでヘンな事しでかしたんだから、フィギュア買って詫びをいれるのがスジじゃねーか！」と、丸め込もうとするオレ。
「シモっちょ！貴様は理不尽だ！シモっちょだってオレに色んな事して、お互い様じゃねーか！」

なに〜〜！ついに本性をあらわしたな、ブタっちょ！
土下座なんてしやがって、最初から反省なんてしてねーじゃねーか！
反省もしてねぇのに軽がるしく土下座なんてしやがって！お前はペリー・ケン・ウォーラーか！！
結局、クソブタはなんだかんだと逃げ口上で、オレの袋に詰めたフィギュアセットを買う事をしなかった。このガキィ〜〜。

「シモっちょぉ、いつもみたいにさぁ、酒をおごるからさぁ。心ゆくまで飲んでいいからさぁ〜、それで許してくれよぉ〜」
………言ったなブタっちょ。
いつもオレがお前におごらせ、鶏刺し食って帰ってる時くらいがオレの酒量だと思ってやがるな。
アレはいつも、ブタの相手が苦痛で、好物の鶏刺し食った直後に逃げてるからなんだよ。
オレがいつものようにカジワラったらどうなるか…すべておごらせてやるぜ！

「わかったぜ、ブタっちょ。酒の席をもうけてもらって、それでチャラにしようぜ。オレはそれ以降は何も言わんよ」
「ありがとう、シモっちょ。また連絡するよ！」
堀田祐美子がツブれたような笑顔で、ブタっちょは去っていった。
ふっふっふっふっふっふっふっふ………。