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桜の病 天狗巣病 

2009-04-24 | 自然科学
桜と言えば染井吉野です。
葉の出る前に花を咲かせる美しさは日本人の美意識をくすぐります。
ここまで全国的に植えられている数の多い木でありながら、全ての染井吉野は挿し木や接木で育てられたものであり、遺伝子はクローンのように全く同じです。
これは一代雑種のためで、優良品種ではあるけれど種で同じ品種を作ることができないからです。

日本中の染井吉野が同じ遺伝子と言うのも不思議ですが、そんな品種だからこそ弱い部分も持っています。
よくかかる病気に天狗巣病があります。





他の桜も罹りますが染井吉野が一番弱いようです。
原因はたくさんあるようですが、多いのはキノコやカビの仲間のタフリナ菌による感染です。
「天狗巣病」の因子発見-植物を変形させ枯らす病気
天狗巣ファイル
天狗巣病のメカニズムは解明が進みつつあるようです。

この病気は感染するので桜の管理をしないと次々とうつってしまいます。
対応は罹患部分を切り落として焼却する事と、切り口に傷口の治りを早め、病原菌の侵入を防ぐ薬剤を塗る事です。
花が咲く頃に緑色の葉が出ている部分が感染場所なので、今の季節が見つけやすい時期です。
最後は枯れ死に至る病気ですので、きちんと手入れをして欲しいです。
毎年春の楽しみですから。





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6 コメント

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人の愛でるモノ (やじろじゃ)
2009-04-24 09:32:19
桜もそうですが、馬や犬も同様の障害を抱えていますね。

人が人の為に理想の物を生み出そうとして、でもそれは完全ではなくて。

武田鉄也の三枚下ろしで取り上げられた津軽のリンゴ農家さん(奇跡のリンゴ)、そのご苦労は上記に対する一つの回答でもあり、また、自然に勝るものはない、と言う事の査証でもあるのかな、と感じています。

ツーリングで岩木山に良く行きますが、初めてリンゴ畑を駆け抜けた時、恐ろしくなりましたよ。どう考えても、あれは自然発生できない果実ですからね。
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やじろじゃさま (shouske0)
2009-04-24 17:07:51
品種改良は軟弱な生き物を生み出しますが、人類に貢献しているのも確かです。
単一の生物種ばかりにする事も危険を孕んでいます。
アイルランドのジャガイモ飢饉のように、取り返しのつかないような事態は何時起きるかわからないものです。
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やっぱり・・・ (ポン太)
2009-04-25 05:53:29
shouske0さん、知識が豊富ですね~。
天狗巣病の事は知ってましたが、
オラだとここまで掘り下げて話しが出来ませんよ。

この道は毎週歯医者に行ったり病院に行ったりする時に使ってますが、
もうちょっと手入れしろよなぁといつも思ってました。
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ポン太さま (shouske0)
2009-04-25 10:30:29
ほめ方が上手ですねー。

市内にはあちこちにこのような木があるので、せめてネット上で話題にしようと思ってます。
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桜にもあるんですね。 (笹の観察人)
2009-05-11 18:21:40
竹の天狗巣病について調べているうちに桜のにもあると知ってびっくり。桜は毎年見ていますがぜんぜん気づきませんでした。
竹だとマダケにたくさんある。正常なものが殆ど無いくらいある。モウソウチクにもかなりある。見た目が悪いので、管理がきちんとされているところにはあまり無いようだけど。
放置すると、大変なことになる。マダケ林はどこも大変なことになっています。
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笹の観察人さま (shouske0)
2009-05-11 21:56:24
コメントありがとうございます。
桜に限らずいろいろな植物に感染する病気ですが、管理が重要なようですね。
染井吉野は公園などで管理の行き届いている場所は良いのですが、個人で植えているものは管理が悪くなりがちです。
日本の山や森は管理をすることで維持されていると感じます。
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