腫瘍内科医一家のニューヨーク滞在記

ニューヨーク研究留学中での出来事を感想を交えてメモ代わりにつづります。

おそるべしチャイナタウン!

2010年02月16日 20時38分57秒 | 日記
 今年は2月14日は中国では旧正月のため、マンハッタンのチャイナタウンでは新年のお祝いでにぎわうと聞いた。
 
 職場には中国の人も多く、2月12日金曜日は、帰りがけに「Happy New Year!」と声を掛け合う人も多く見かけた。
 
 当日、家族4人で、チャイナタウンに出かけた。
 以前から、子供は学校の社会で習っているためか中国に関心があり、大喜びだったが、チャイナタウンにつくと、妻、子供の表情が一変した。
 ここがマンハッタンとは思えないぐらい中国の人であふれかえり、さらに、失礼は百も承知であるが、町はとても汚いし、スーパーからは異臭が放たれる。人垣の中では、隙間があれば人を押しのけてどんどん前に進もうとする。日本のように指図されずとも自然に列を作って順番に待つような習慣がないのか、とにかく平気で割り込んでくる。子供たちは、何度も背中を押され、足を踏まれたらしい。娘は「なんて失礼な人たちなんだ。後ろから押してはくるし、足を踏んだり人にぶつかっても謝らないなんて。」と憤慨していた。
 ニューヨーカーは少しでも肩に触れようものなら、「Excuse me.」と声をかけてくるが、ここはマンハッタンといえどもチャイナタウンなのである。噂には聞いていたものの、同じ東洋人でも、相当、文化、慣習が違うことを痛感させられた。
 もちろん、新年のお祝いで人が多かったことを考慮しないといけないし、自分は中国の人に悪意は全くないので誤解なきよう。
 結局、わずか一時間半ほどの滞在で、家族ともども疲れて退散することに。
 楽しみにしていた中国のお茶屋さんは、次回に持ち越しとなった。

 子供たちは、自分たちの価値観以外の世界があることを思い知らされたのではないだろうか。
 このような環境で育つ中国の子供たちは、自然とタフになるのかもしれない。
 この先、世界がますます狭くなり、世界の人々が入り混じって仕事をするようになった時、今の日本の子供たちが世界の舞台でどこまでリーダーシップを発揮できるのか。良くも悪くもアメリカ人、中国人、インド人などの「タフ」な他国の人たちに圧倒されてしまうのではないだろうか。
 日本人は概して礼儀正しく行儀が良いとされる。(最近、かなり崩れてきているようにも思うが)このことは美点であり大切に受け継いでいかなければならないが、押しが弱いというか少々大人しすぎるのかもしれない。
 他国の人たちがこちらの価値観を汲み取って合わせてくれるほど、世界は甘くない。
 帰りの道中、不機嫌な家族をよそに、今の自分の立場を顧みて一人でそんなことを考えていた。