京都中華 鳳舞楼(ほうまいろう)
京都市上京区新町通中立売下ル仕丁町327-7
TEL 075-555-5568
定休日 火曜日
知恩院のライトアップを見終えて今回お世話になる京都ブライトンホテルへタクシーで向かうと
車中、運転手さんと色々な話になりその一つが「京都中華」の話題。
そこで貴重な情報を入手したのがここ「鳳舞楼」のカラシソバがめちゃくちゃ旨いとの事。
2月末訪問した「芙蓉園」(2021-3-20付・番外編336)に次ぎ、2匹目のどじょうを追うことにした。
当店は早朝散歩で場所がすぐ分かったがホテルの2軒隣りというすごい近さにびっくり。
この日は2~3人のウエイティングでホッとした。
当店は藍色の暖簾が下がる入口を見ただけでは中華料理店とはわかりにくい。
ここで改めて「京都中華」について記してみたい。
「京都中華は京都しか存在しない。
京都らしさを目の前でわからせてくれるのは中華においてほかにないと断言できる。」
(枝條剛著 にわか京都人宣言)という位、京都中華は古都の歴史を舌の上で知ることができる。
具体的に京都中華はどういうものかというと、
出汁は鶏ガラのみか昆布を加えるかで和風の出汁に近い。
紹興酒、ニンニクなど食後もニオイが残る材料は使わない、ショウガも量を抑えるようだ。
花街に近い場所で発展したという歴史がニオイが残る食材はシャットアウトした。
又、たとえば長い春巻は中身がこぼれて着物を汚すため芸妓さんには不評。
「こんな長い春巻はよう食べへんわ」といわれ短くなった店(糸仙)もある。
要は味は和食風の中華ということになる。
当店は3年前に西の地からこの地に移転してきた。
1階はL字型のカウンター席6席だけ。
2階はテーブル席で24席あるそうだ。
京都中華が成立したのは最古参の「ハマムラ」が開店した
1924年(大正13年)ですから昨日今日できた文化ではない。
歴史の流れの中で京都中華は二つの系列に分かれる。
鳳舞系列と盛京亭出身の店で、店名に「鳳」という一文字が入っていると鳳舞系。
「盛」という文字が入っていると盛京亭系列と言われている。
京都中華のメニューの数々。
京都中華の祖、中国から来た料理人「高華吉」。
高華吉(鳳舞)の味を継承する店は京都中華と呼ばれている。
その最後の弟子が当店の店主。
当店店主(54歳)は16歳で門をたたいた。
その2年後に高が亡くなったので京都中華考案者に直接仕えた最後の弟子が当店店主だ。
その店名の継承も許可されて鳳舞楼となった。
撈麺(エビカシワカラシアエソバ)通称カラシソバ950円。
これ京都中華の象徴だ。
店主自身が製麺する麺は国産の小麦とイタリア産の小麦を混ぜ合せ、細かく仕上げる。
製麺後、数日寝かせてから使う。
具材はキャベツや白菜ではなくレタス。
これを少し湯がく。
それに青葱、椎茸、小海老と鶏肉。
麺に加えた酢醤油と溶きからしに具材に鶏ガラスープと出汁を和え
片栗粉でトロミをつけてあんかけにする。
これは関東にはないあっさり味で上品、そして奥深くいつまでも余韻が続く、絶品だ。
この味は正直体験したことがない。
旨い、マイウ、いや、上品に美味しい。
完全にはまって虜になってしまった。
カウンターの上に乱雑に作り置きしてあるシュウマイ。
しかしこれを侮るなかれ。
シュウマイの皮と具は店主が作る。
しかもシュウマイの皮は薄くして新聞の上に置けば透けて字が読めるくらいだそうだ。
カラシソバにすっかりハマってしまい帰宅早々、今まで創意工夫をしながら4回も作ってしまった。
プロの味には遠いがちょっとずつ進化し、お客に出せるヨと言われるまでに来た。
後日、料理でレシピを披露したいのでお楽しみに!