スマート珈琲店
京都市中京区寺町通三条上ル天性寺前537
TEL 075-231-6547
定休日 火曜日
営業時間 8:00~19:00
ランチタイム 11:00~14:30(L,O)
寺町通のアーケードにあるスマート珈琲さんは1932年(昭和7年)創業。
約90年の歴史を誇る京都市内で現存する喫茶店の中でもトップ3に入る老舗だ。
ここ三条本店以外には太秦店がある。
ここに着いたのはもう午後2時頃というのにウエイティング客の列ができている。
しかも2列だ。
左の列は1階の喫茶店で、右の列が昼のみランチ営業をしている2階席のものだ。
当店の店名「スマート」とは気の利いたサービスができる店を目指したいという意味を込めたとの事。
ちなみに2021年の百名店にも選ばれている。
入口のガラス戸には祇園祭の神輿、中御座(三若)と西御座(錦)の御神酒のお札が貼ってある。
そういえば当店のオーナーは熱烈な御輿野郎とか。
三若御輿会に入っていて御輿渡御は当店前を渡御するようだ。
お店のドアを開けると、はちみつの幸せな香りがふわっとしてくる。
1階の喫茶店はスイスの山小屋をイメージした造りで
創業当時から変わらぬ自家焙煎オリジナル珈琲豆を使っているとか。
当店の珈琲をお客様に飲んで頂いた時にはゆっくりと時間が流れ
ほっと落ち着く特別な場所であって頂けるよう心掛けているとか。
ということで開店の8時から閉店の19時まで
いつまでいても追い出されることはないらしい。
1階喫茶のメニューで看板メニューがホットケーキ(700円)。
創業当時から変わらない味わいの逸品。
他に後で紹介する自家製プリン、フレンチトースト、タマゴサンドがおすすめとか。
当店は京都に数ある老舗の喫茶店のなかでも有名中の有名店。
京都人に長く愛され、俳優や文化人にもファンが多いという。
京都の名喫茶は一種の文化遺産といえる。
2階席は昼11時から14時半(ラストオーダー)までランチ営業を行っている。
2階席も落ち着いたダークな木の質感やヴィンテージ感漂う革張りのチェアが
一瞬にして半世紀以上前にタイムスリップさせてくれる。
当店は喫茶店なのに洋食屋レベルの洋食が楽しめるということで評判だ。
厨房の奥で黙々と調理しているブルーの方がオーナーの弟さんで、
心のこもった料理を作っている。
まさにスマート珈琲店は喫茶メシと侮るなかれ本格的な洋食屋さんなのだ。
スマートランチメニューはクリームコロッケ、エビフライ、
ハンバーグステーキ(デミグラスソース)、ベジタブルオムレツ、
ポークソテー(トマトソース)、ポークカツ(デミグラスソース)、
チキンカツ(デミグラスソース)、チキングリル(香草風味orトマト風味)、
そして本日の一品の中から2品選ぶシステム。
ライスorパンが付いて1,300円。
これはとても良いやり方だ。
そして単品メニューとしてはオムライス、オムハヤシライス、
ハヤシライス、チキンライス、エビフライがある。
スミダマンは老若男女を問わず隠れた人気と言われているオムライス(ミニサラダ付)と
本日のスープ(500円)のニンジンスープを選択。
確かに言われていた通り、愛情のこもった手作り感のある優しい味に
思わずウットリ、ニンマリだ。
本当こういう料理好きだナー。
京都はこういうお店を育むすごい街だと改めて思った。
相方はハンバーグとエビフライをチョイス。
これがなぜか見た目に美しい。
食してみてやはりスミダマンと同じ感想を言っていた。
そして最後に1階定番メニューの自家製プリンを追加オーダー。
型から出てきたままの手作り感が見るからにおいしそう。
口に含むと幼い頃に母が作ってくれたプリンを思わせる懐かしさ。
ノスタルジックな思い出とともにじんわりと心と体に沁みわたってくる。
テーブル上にはこのような名刺プレートが置かれている。
これも他店に無いささやかな気付きに思える。
スマート珈琲は京都の喫茶店文化を形成した祖となる喫茶店と
言われているのがわかるような気がする。
これが50周年を迎えた寺町通の専門店街アーケードの風景。
この逆側数軒進んだところに昨日アップした鳩居堂がある。