第31回goodシネマ予告
『鉄道員ぽっぽや』 2014.08
平凡な人生に舞い降りる一瞬の奇蹟。さい果ての雪に埋もれたローカル線の小さな終着駅。
ここを最終の職場として四十五年に及ぶ長い鉄道員(ぽっぽや)の人生を終えようとしている男のもとに或る冬の夜、愛らしい一人の訪間者 ...
直木賞を受賞した浅田次郎の短編小説を高倉健主演で映画化したヒューマン・ドラマ。
北海道の幌舞線の終着駅である幌舞駅で、不器用にもまっすぐに鉄道員として生きてきた定年間近の乙松は、ある少女と親しくなる。
ポッポヤはどんなときだって涙のかわりに笛を吹き、げんこのかわりに旗を振り、
大声でわめくかわりに、喚呼の裏声を絞らなければならないのだった。
ポッポヤの苦労とはそういうものだった。
一番つらかったことは何かと訊かれて、乙松は娘の死を語らなかった。それは私事だからだった。
佐藤乙松として一番つらかったことはもちろん娘の死で、二番目は女房の死にちがいない。
だがポッポヤの乙松が一番悲しい思いをしたのは、毎年の集団就職の子らを、ホームから送り出すことだった。
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