第34回goodシネマ予告 『まあだだよ』 2014.11.22
昭和18年の春。法政大学で教師を務める男性は、作家活動に専念するために学校を去る。
しかしその後、彼の還暦の祝宴が開かれている最中に、空襲がやって来る。
やがて空襲で家を焼かれた彼とその妻は、知人の厚意で借りた3畳1間の掘建て小屋で生活を始めることになる。
黒澤明監督が敬愛する随筆家・内田百と教え子たちの交流を、ほのぼのとしたタッチで描いた監督83才の遺作となった作品...
Mâdadayo (1993) ORIGINAL TRAILER
随筆家として、今も人々に愛される内田百間。法政大学のドイツ語教授を辞したのちも弟子たちに慕われ続け、定例会「摩阿陀会(まあだかい)」も開かれた絆を温かく描く。
昭和18年の春。百間先生は教え子たちへ、作家活動に専念するため学校を去ることを告げた。
教え子たちは「仰げば尊し」を歌い敬愛する先生を送る。
退職後に引っ越した家にも、中年になった門下生たちが遊びに来る。
- 仰げば 尊し 我が師の恩
教(おしえ)の庭にも はや幾年(いくとせ)
思えば いと疾(と)し この年月(としつき)
今こそ 別れめ いざさらば - 互(たがい)に睦(むつみ)し 日ごろの恩
別(わか)るる後(のち)にも やよ 忘るな
身を立て 名をあげ やよ 励めよ
今こそ 別れめ いざさらば - 朝夕 馴(な)れにし 学びの窓
蛍の灯火(ともしび) 積む白雪(しらゆき)
忘るる 間(ま)ぞなき ゆく年月
今こそ 別れめ いざさらば
今、忘れられている、とても大切なものがここにある。