息子(中2)が、
共感全開にしながら
面白がって読んでいました。
そして読み終えると、
おもむろにイタリア語をDuoり始めました(笑)
私も追って読んでみたのですが、
まず目次で吹き出してしまった。
・好きなことだけ楽しみ、嫌いなことは先延ばす
・嫌なことは、後回しでもよいことにする
・短所は直さない、長所は大事にする
・人生における寄り道を大切にする
・有意義な一日は、脱線により生まれる
・目標達成ではなく、その過程を楽しむ
・寛容すぎるゆえに、事態が改善されない
・どんな状況でも、しぶとく愉しみを見つける
え?これ、息子について書かれた本?
と思ってしまうような。
こりゃあ、共感するはずねー!(笑)
---
以下、なるほどね、と思ったことをメモ。
【根本的に欠けている分業の概念】
イタリアの仕事能率が低い原因に、
分業の概念の欠如が挙げられる。
しかし、それは同時にイタリアの
活力や創造力の高さの源でもあるので、
話はややこしい。
イタリアで仕事をしていると、
各人の職務が不明瞭で、
全員が「なんでも屋さん」のような
働き方をしている企業が多い。
当人達も、それほど嫌ではなさそうだ。
好奇心旺盛で、いろいろやってみるのが好きなのである。
(近代的分業制より)中世職人的労働のほうが
イタリア人の気質には合っているのかもしれない。
なるほど、です。
なんとなく持っているイメージにぴったり(笑)
で、息子もそんな感じです。
決して職人的ではないんだけど、
アイデアが尽きず、
全てに首を突っ込みたがり、
いろいろやってみるのが好きなのは同じ。
仕事能率が低いのも同じ。
【目標達成ではなく、その過程を楽しむ】
(日本人は)目的遂行能力は高いが、
その過程を楽しむことができない。
というよりも、それを楽しむことに
罪の意識を持つようになってしまった。
(イタリア人は)本来の目的を忘れて
寄り道に熱中する。
しばしばそこから非常に面白い経験や発想が生まれる。
イタリア人は、事務遂行能力は低いが、
発想とアイデアは抜群だとたたえられる。
そのような卓越した思いつきは、
彼らの得意技である寄り道や脱線から
生まれているのかもしれない。
息子、「ほら見て!」と得意げに
この部分を見せてきました(笑)
うーん、そうねぇ、そう言われると…
息子の得意技である脱線や寄り道を、
あまり非難するべきではないのかもしれないな。
けどねぇ、そうはいっても…
だって、いろいろやりたがるから、
毎日時間が足りないのよ!
それなのに、
必ず寄り道するし、必ず脱線するのよ!
辻褄合わせるために
はっぱかける役割を担っている
母は大変なんだぞ!!
【個性を伸ばす教育について】
たしかに人間は、
好きなことだけをやらせておくと
その才能は伸びるだろう。
一方、バランスの取れた
総合的プレイヤーのような人材を
養成しようとすると、
欠点を矯正する必要があり、
均一な規格品的人材を養成してしまう恐れがある。
個性を伸ばす教育
ということがよく議論されるが、
それはある意味欠点を許容する
寛容な教育であるのかもしれない。
日本で「個性を伸ばす教育」を取り沙汰する時は、
全般的に大きな欠点の無い
平均(以上)の能力は当然持っていて、
その上でさらに「突出した個性がある」ことを
期待するという、
大人にとって非常に都合の良い理想、
子どもにとっては過酷な理想が
語られているような気がする。
それが出来る子もいるかもしれないけれど、
そうでない子だっている。
しかし、当たり前だけど、
「個性を伸ばす」のは
一部のハイスペックな子どもにのみ
認められる「特権」ではない。
本当は、ここに書かれているように、
「個性を伸ばす」と「欠点を許容する」は
セットだってことを、
大人はもっと意識すべきなんだろうな。
かくいう私も、子どもに関して、
「得意を伸ばすべし」と思いながらも、
「苦手分野の最低ライン」を
けっこう上げているきらいはある。
自分のことを思い切り棚に上げて、
欲張っちゃってねぇ、もう。
【食卓での正しい振る舞いを学ぶ】
イタリアの食卓はコネを広げる出会いの場だから、
招く側は有意義な人物を紹介して
チャンスを広げてあげようとする。
コネが重要なイタリアでは、
食事の誘いを断っているとチャンスは広がらない。
食卓が嫌いな人間は信頼されない
という変な国なのである。
そして、パーティや自宅での食事に関する
イタリアマナーについて
いろいろ書いてあるのですが、
知らないことばかりで面白かった。
そして、思う。
こうした食事会が
仕事でもプライベートでも
イタリア人の社会生活において
欠かせない重要な役割を担っているとすれば、
コロナでそれが出来ないとなると、
日本人が外出禁止されるよりも
ずっと大きなダメージを受けるだろうな、
気の毒に…と。
そう息子に言うと、
「まぁ、そうかもしれないけど、
きっと上手いことやってるよ。
オンラインとか、いろいろ。」
…楽観的だね。
そうそう、
・イタリア人は人生を楽しむ天才
って章もあったね。
天才達の今後に注目したい。