olatissimo

この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

ADHDは発達障害か?

2016-07-21 | 教育よもやま話
「発達障害とよばないで」を読みながら考えた
よもやま話です。(昨日のつづき)


アメリカでは1割近い子どもが
ADHDの診断を受けていて、
日本もそれに近づきつつあるそうです。
10人に1人です。
多いですね!


そして、このADHD、
すでに、発達の専門家の間では
「発達障害」と呼んでいいのか?
疑問をもつ人も多いんだそうです。

遺伝子レベルのリスク(特性)は単にリスクであって、
決して障害ではない。
長所、短所を併せ持つ、一つのタイプに過ぎない。

同じリスクを持っていても、環境次第で
それを強みとして伸ばすことができるが、
そこに不利な養育要因などの環境要因が加わわると
初めて障害となる
ということのようです。


そして、ADHDは相当程度、
養育要因が関係しており
それを「発達障害(遺伝要因)」と呼ぶのは、
「発達障害」の定義から逸脱している。
ADHDの増加は、むしろ
愛着障害が増加している
言い換えた方が良いのではないか?と。



**




ところで、うちの子が稚園の頃、
私は心の片隅でいつもADHDを覚悟していました。
いわゆる新奇性探求が強い子なんです。

新しいものに好奇心が強く、
それを求めて活発に行動する。

考える前に動いている。
目に入った瞬間、身体が動いている。
思いついた途端、しゃべり始めている。

動きながら考える。
しゃべりながら考える。
その途中で次の新しいものが目に入ると
そっちに飛びつく。
しゃべってる途中でポンポン話題が変わるから
ついていくのが大変!


こういう性質の子供の中には
次々に気になるものが登場すると
制御できない興奮状態になる子もいると思います。
ADHDと聞いて想起されるのはそういうタイプ。

が、うちの子の場合は、脳内の情報処理に忙しくて
逆に動けなくなりました

ひたすら観察にまわり、インプットに専念する。
ああ、こういうタイプもいるんだな、
と面白く思ってました。



ともあれ、落ち着かない、言うことを聞かない

いわゆる育児の大変な子でした!

(過去形でいいのか?!)

男の子にはありがちなのですが。

(全子どもの1割がADHDだというけれど、
 男女別にすると、男児のADHDの割合は
 もっと高くなるに違いない!!



それが「子どもらしい」の範囲で納まるものか、
年齢が上がると他児との差が開き
ADHD確定~となるか、
紙一重だな、と思っていました。


そして今。
成長と共に落ち着く部分があり、
ADHDと言われることはありません。

が、その遺伝子を持っているのは確実

どの程度の問題が起こるかは
神のみぞ知る…。
今、辛うじてそうなっていないのは
遺伝子のちょっとした匙加減?

と思っていたのですが、
この本によると、
養育環境が影響している可能性が高い
ってことなんですねー。


「新奇性探求の強いタイプの遺伝的気質は、
 親にとって育てにくいと感じることが多く、
 愛着が不安定になるリスクを高める。

 だが、新奇性探求の強いタイプの子どもでも、
 親のかかわり方が共感的で、
 両親の関係が安定している場合には
 愛着が不安定になったり
 行動上の問題が増えたりすることはない





自分の子育てを振り返り、
十分に共感的だったかと言われれば
正直、必ずしもそうとは言いきれないのですが…(汗
特に小学校に入ってからは…(大汗

けど、一つ思い当たるのは
私が過去に幼稚園や療育施設で働いていたせいで

「子どもといる時は、当然子ども最優先。
保育者は子どものために存在する人間と心得よ」

「子どもが安心して伸び伸び過ごせるよう
 環境を整えるのが大人の役割」

といった職業規範が叩き込まれていて、
それが我が子の育児にも適応され、
これが子育てのスタンダードになっていたということ。

もちろん母親となると
仕事のようにオフの時間がないですし
保育の仕事と同じようにはいきませんが、
そこはゆる〜く生活することで
なんとかやってたんでしょうね。

この当時、指針としていた言葉は

「この子が今、笑顔で過ごすこと。
それ以上に大切な事など存在しない。」


でした。
自分がいっぱいいっぱいになってきたら
この呪文を頭の中で唱えて、
何を優先して何を切り捨てるかを
考えたものです。

(という判断基準により、お父さんの世話は最初に切り捨てた。
だって、大人ですから!自分で何とかして。)

(という判断基準により、部屋の片付けなんかも
しばしば後回しにされた…)

なので、うちの新奇性探求男児は
幼稚園を卒園するまでは
たっぷり存分に甘えて
かなり伸び伸びと育った方だと思います。

(小学校に入ってからは
 また別のファクターが入るんですけどねー)

(その職業規範は、子どもの幼稚園卒園で
 適応が終わった気がする。
 小学校に入ってからは、いろいろいい加減。)

(…いいのか、わたし?)


その辺が彼のADHDリスク遺伝子にとって
吉と働いたのかもしれませんねぇ。


ともかく、障害のことを考えるにも、
愛着がかなりの大問題ということです。
当たり前といえば当たり前なんですが。

その辺、もっと突っ込んで考えたいところです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。