olatissimo

この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

「ズバ抜けた問題児」の伸ばし方(3)親が気をつけること

2019-07-24 | ADHD
 
の続きです。これで最終。
 
 
では、親は、こういう子に
どう向き合って行けば良いか、についてです。
 
 
 
ADHDに相応しい教育環境は、
現在の日本の教育システムの中には
設定されていません。
教育システムの中で、
ADHDタイプに劣等感を与えるのは簡単です。

それでも前向きでいられる子と、
そのままくさってしまう子がいる。

その違いは、根拠の無い自信があるかどうか。
根拠の無い自信があれば、
自分には沢山の長所があるから、
それを伸ばせば良いんだ、と分かってくる。

最大の問題は、彼ら自身が「自分は頭が悪い」
と思い込むことです。
 
 
ADHDの最大の敵は「二次障害」。
 
でも、裏を返せば、
二次障害を起こさない限り、
自分の長所を伸ばして
魅力的な大人になる可能性が高い
ということですよね^^
 
 
 
ポジティブさ、根拠の無い自信。
ありがたいことに、
息子は、この二つをしっかり持っています。
 
「ありがたいこと」のはずなのですが、
普段は、これもまた叱るポイント
なりがちなんですよねーー。
 
 

★「がまん」ではなく「おもしろい」を体験させる

「毎日毎日、同じ事を何度も言っているのに直らない」
と嘆いているお母さん、お父さん、
無駄な怒りをぶちまけるのはやめましょう。

「問題児」に何かをさせたい、集中させたいとき、
彼らを動かす唯一の方法は、おもしろがらせること
勉強も同じ。
苦しんで覚えたことはすぐに忘れ、
楽しんで覚えたことは忘れないのです。
 
 
 
・・・うん、その通り。
 
怒っても無駄だってことも、
面白けりゃ食い付いてくることも
分かってるんだけどね。
 
難しいよね!
 
 
 
私は、全く努力家ではないし、
真面目でもないのだけれど、
練習・勉強=不得意の克服
と考えてしまいます。
 
だから、息子を見ると、
 
(できていないのに)今の状況に満足している
 = 現実を見ていない。
   努力しない言い訳にしているだけ!
 
とイライラしてしまい、
「まずは「出来てない」ってことに気付きなさい。
気付いたら、そこを克服する。
それが練習(勉強)だよ。」
と言ってしまう。
 
いくら言っても響かないから、
余計厳しく言ってしまう。
 
 
 
・・・でも、彼らの感覚は、違うんですね。
私とは、山の登り方(ルート)が全く違う。
だから響かない。当然です。
 
息子にしたら、勉強も練習も
楽しまないと意味が無い
楽しんでいるうちに
出来なかったことが出来たらラッキー、みたいな。
 
すっごい非効率的ですけどね!
 
ついでに、出来ていないことが
出来ないままになる可能性もありますけどね。

怖い・・・

けど、こんなことも書いてありました。
 
 
★「出来ない」ままでも良い

今できることを、
「もっとできる」「突出してできる」にする方が、
簡単だし効果的。

「問題児」には、調子にのりやすいという
非常に魅力的な特性がある。
彼らは暗示にかかりやすいので、
ほめられるとすぐに調子に乗って、
自分の長所として認めて伸ばそうとする
この愛しい個性を上手に使って欲しい。
「できない」は、ゆっくり見守るのが良い。
 
 
これ、『世界のトップ1%に育てる親の習慣』
に書いてあったことと重なる。
同じだーー。
 
 
 
その時も、「ふーん・・・?」と思ったんですよね。
納得はできるけれど、
結局、残念なまま終わったらどうする?とかね・・・。
 
 
・・・どうやら、心配無用のようです。
 

こういう子は、
「脳天気すぎる。アホだ・・・」と思っても、
そのまま調子に乗らせておけばいい
ってことなんですね(笑)
調子に乗っているうちに、できることが増えるという。
 
生暖かく見守るしかないんですね。
 
 
 
★13,14歳くらいまでは、とことん遊ばせる
 
子どもは遊ばせないとダメになる。
「外で遊ぶ」「友達と遊ぶ」を何よりも優先させる。
AHDHタイプは感受性が豊かなので、
自然の中で多くの発見をする。
 
友達と、とことん遊び尽くせるのは12歳頃まで。
それまでにどれだけ友達と遊べたかが、
人間関係の基礎を作る
遊びの中には常に試行錯誤がある。
とことん遊んだ子は、13,14歳頃になると、
そろそろ勉強しようか、と思うようになる。
 
 
これも、全ての子どもに対して言えることだと思います。
 
そして、そういう「有意義な遊び」を阻むのは、
中学受験と、
TV・ゲーム・スマホという「スイッチ系ツール」。
 
 
 
★ゲーム、スマホ。
与えたらまずいということに、与える前に気付け!

外遊びや読書をさせたくても、
そこにTV、ゲーム、スマホ(スイッチ系ツール)
があればおしまい。
それらは人間の時間を食い潰す道具です。
「問題児」の多くは、「一般人」以上に、
これらのスイッチ系ツールにハマりやすい。
特に男子。
どっぷり浸かって抜け出せなくなる。
子ども時代にしておきたいことの全てが
できなくなってしまう。

多くの家庭では「ゲームをする時間を決める」ルールで
問題に対処しようとするが、
「問題児」たちにそれは難しい。
一旦集中したことを、途中で止める力が弱いから
一番良いのは与えないこと。

そして、親も、スイッチ系ツールから離れること。
リビングにTVを置かない。
リビングは、会話し、本を読み、勉強する場として確保する。
 
 
「好きな事に夢中になれる」のは
良い性質なんだけど、
夢中になる対象が
「時間を食い潰すだけの、人生の破壊兵器」だったら
二度と戻らない大切な時期を
無駄にしかねない、ということですね。
 
 
ということで、
 
・劣等感を与えること
・スイッチ系ツールを与えること
 
これがADHDタイプの子に
最もやってはいけない、
注意すべきことだと分かりました。
 
(ADHDタイプでなくても、
どちらも与えない方がいいと思いますけどねー)
 
 
 
では、やるべきことは?というと・・・ 
 
 
★勉強はおもしろくなくてはいけない。

12,13歳頃までは遊びの方が大切。
ただし、「勉強しようか」という時期になったときに
遅れを取らない状態にしておく必要はある。
それは「コンプレックスを抱かせない」
という子育てのルールにも通じる。
 
 
勉強は13歳以降で良いと言っても、
それまでは放置して良いって訳じゃない。
ちゃんとある程度のレベルは保っておくべし。
しかし、やらせるなら面白く
 
 
わー。
ハードル高いな・・・(親にとって)
 
と思うけど、相手はADHDタイプの子。
勝手に面白くする天才です。
こっちが無理に盛り上げなくても、
勝手に面白さを見つけて、勝手に盛り上がるはず。
 
親の役割は、
子どもが得意分野で突き進むのを見守りつつ、
一方で、苦手分野にも目を向けさせ、
テキトー過ぎるところで放り出さないように(←やりがち)
手綱を握っておくことでしょうかね。
 
勉強は、それくらいで何とかなるんじゃないかな、
と思います。
 
 
 
しかし。
 
ある意味、勉強よりもずっと厄介なのが、
「片付け」「忘れ物」「〆切守る」
という生活習慣です。
彼らの超不得意分野です!
 
でも、何とかしなくちゃいけない。
内申にも必要だけど、その後の人生でも
仕事やら何やらで絶対必要ですからねぇ。
 
 
 
★やるべきことを期限内にやるために

片付けをしつけの柱に据える。

片付けは苦手でも、「きれいな状態」は好きなんです。
家を、基本的にいつも片付いている状態にする。
(子どもにも週1回は片付けさせる)
特にリビング・ダイニングのテーブル。

「やろう」と思った時に、
捜し物や無くし物で無駄な時間を費やし、
ヤル気を削がせないように。


子ども時代にこの感覚を身につけておくと、
将来、自立した時に、
部屋がカオスになって(絶対、なる)
室内で遺失物続出になったとしても(絶対、そうなる)、
ある時点で「これくらい片付ければ大丈夫!」
という状態に自力で持って行けるようになる・・・かな・・・?
 
 

・やるべきことは書き出して貼る

言葉で指示されても聞き流すから、視覚に訴える
自分でできるようになるのを目標にする。

〈書き出すメリット〉

・行動の優先順位がわかる
  → 時間のコントロールができるようになる

・頭の中にある、なんとなくぼんやりしたものを
 洗い出す習慣がつく
 → 小論や意見発表で役立つ。
  「頭が良い」とは、漠然としたモノを具体化する力。
 
 
これ、息子も(勝手に)やっています。
こういうプランを書くのは好きなようです。
(今日、机の上に放置されていた「やることリスト」)
 
(見ると、ほとんど終わってないのに、
 プランを変えて遊びに行ったことが分かった。
 これを「計画倒れ」という・笑)
 
基本、自分に甘いプランを作り、
「楽勝~♪」とホクホクするのが常なので、
親がチェックを入れる必要はあります。
 
 
あと、書き出しても、
書き出したモノを紛失する
という失態はつきものです。
 
 
「持って行く物リスト」
「持って帰る物リスト」
も役立ちます。(無くさなければ)
 
でも。
家から持って出ても、庭に忘れたりするんですよね・・・
 
持ち物が「水筒、シューズ」だけであっても、
調子よく喋っているうちに、
あるいは庭の何かに気を取られた瞬間に
手から離れているようで。
車に乗るときには手ぶら

それくらい気付きなさいよ、と毎回ため息が出る。
 
車のドアに「水筒、シューズ!」と書いた紙でも
貼っておこうかな。
(貼ったり剥がしたりが面倒なので、躊躇しています)
 
 
さらに手強いのが、「持ち帰るものを忘れる」こと。
親の目が無いし、
気が散ることに囲まれているので
大変防ぎにくい。
 
ランドセルの時は、蓋の裏側
「水筒2本!!」
「体操服3セット!!!」
などと書いた大きな紙をセロハンテープで貼り付けていました。
これ、効果テキメンです(笑)
 
中学のリュックはやりにくいので困っています。
 
 
 
話が逸れた。
 
この本には、その他、
国語力の伸ばし方(音読)、
計算問題のケアレスミス(←彼らにはつきもの
を防ぐ方法などが書かれていました。
さすが受験指導のプロですね。
 
あ、大手の集団指導形式の塾は無駄!
ということも書かれていました。
 
そこも『トップ1%~』の主張と同じですね^^
 
 
---
 
 
読了して。
 
やはり、ADHDタイプであろうと、
そうでなかろうと、
望ましい指導方法は同じなんだな、と思いました。
 
ただ、苦手がはっきりしている子は、
より広い目、大きな心で、
柔軟に受け止めてあげた方がいい。
 
発達が遅い部分もあるので、
「この年齢ではこうあるべき」という
常識から(親が)解放されるべき
ということも、改めてかみしめました。
 
「常識」ではなく、「その子」を見ろってことです。
 
全ての子どもに対して
そうすべきなんだけど。
 
 
この本、ちゃんと現実を見ながらも、
「きみたちの未来は明るい」というポジティブさに
貫かれた本なので、読後感は良いです。

 
発達障害について知られてくると、
「何らかの才能を見つけて、
 一芸に秀でた子にしなくちゃいけない
と思う親もいて、すごく危険だと思います。
「スティーブ・ジョブズを育てよう!」みたいな。

そうではなくて、とにかく待っていれば、必ず波が来る。
「きみが乗れるような波がきっとくるから、大丈夫だよ」
って言ってあげたい。


子どもに向けられた優しい眼差しが、良いです(^-^)


最新の画像もっと見る