ある人から「オイリュトミーをご存知ですか」
と問われて、久しぶりに昔を思い出しました。
(バレエ関係の検索をしていて、たまたま見つけた笠井さんの舞台)
笠井叡さん。
強烈に魅力的な方でした。
学生の頃、月1で講座を受けていました。
私には、身体を動かすセンスも、
笠井さんが仰ることを理解する力も無かったのですが、
笠井さんや、講座に集う人々の
人間性というかオーラというか、
「そこに存在するだけで放たれる力」
のようなものにすっかり魅了されていました。
場を共有するだけでも満たされるものがあり、
たとえ十分に理解できなくても
その言葉を聞いていたい、
と思いながら通い続けていた感じです。
(高橋巌さんの講座も、同じ感覚で通っていましたねー)
結局、カケラも理解できなかったような気がするけど、
余談だけしっかり覚えているのは
学校の授業と同じ(笑)
幼児オイリュトミーは、幼稚園勤務時代に
子ども達と一緒に体験していましたが
(指導は高久真弓先生でした)、
笠井さんの講座で体験したオイリュトミーとの
あまりにも大きな違いに驚いたものです。
それから長い間、
オイリュトミーとは縁がなかったのですが、
息子が幼稚園を卒園した後に、一度、
講師の先生を招いての幼児オイリュトミーに
参加したことがあります。
息子の幼稚園には
オイリュトミーが無かったので、
ぜひ体験させてあげたい、
きっと好きなはず!と思い、
喜んで参加したのですが・・・
え?こんなに?と驚くほど、
見事に息子には合いませんでした。
ぼくは飛び跳ねたいのに、
なんで無理無理
おじいさんの歩き方しないといけないの?
好きに動いちゃいけないの?
亀でノロノロとかやってらんない!
ねえ、まだやるの?
もうヤダ、遊びたい。
講座の間中、
ずっと目で訴えられ続け、
息子にも講師の先生にも申し訳なくて、
居心地が悪かったのを覚えています。
決して、オイリュトミーには不向きな
目覚め過ぎている子ではなかったんですけどね。
ダメでした。
息子は「二度とやりたくない」と言ったし、
私も、こりゃ無理だと痛感し、
息子にはバレエの動きの方が
よっぽど向いてるな、と思って、
以後、スッパリ諦めていたのですが・・・
でももしかしたら、
今の息子なら、
私が体験した笠井さんの講座のような
凄みのあるオイリュトミーだと
心に響くかもしれないな。
(いや、もうちょっと内面が成長したら、かな)
ずっとバレエをやっているのだから、
少なくとも、身体も感性も
すっかり退化している私などよりずっと、
「身体で考える」「動きから思想へ」ができるはず。
ストンと落ちるモノがあるはず。
いつか、こういう世界にも触れられたらいいね。
天使館のHPを見ると、
笠井さん、9月はイタリアツアーと書いてありました。
笠井さんの舞台、
私は、京都で行われた『娼婦の頭蓋骨』と、
東京での『花粉革命』を拝見しましたが、
初めて観る「舞踏」に圧倒されっぱなしでした。
今もいくつかのシーン、その時の感覚を
はっきりと覚えています。
あれから20年余。
笠井さん、75歳の舞台。
観てみたい・・・・
息子にも、見せてあげたいなあ。
(怖がるかも・笑)