豫園に入って、一人で見学したり写真を撮っていると、久しぶりの日本語が耳に飛込んできました。どうやらガイドが日本人観光客を案内しているようです。黙って横に引っ付いて、ガイドさんの話を聞かせてもらうことにしました。
ガイドさんの話では上海には山がないので、金持ちが庭をつくる時には岩を高く積み重ねて、贅を尽くすのだと説明していました。


豫園では、庭の到る所に大きな岩が積み重ねられています。
庭の一番高い所は14メートルもあり400年前は上海で一番高い場所だったそうです。
豫園の中で一番印象深い場所は池に面した二層の楼閣と、錦鯉が泳ぐ池に架けられた橋の周辺です。

しばらく、黙ってガイドさんの話を横で聞いていたのですが、ガイドさんが「皆さん、バッグの口などはしっかりと閉じて下さい」などと言い始めたので、怪しい人と勘違いされたのだと思い、近くの人に「皆さん日本から来られたのですか?」などと声を掛け、怪しくないことをアピールするとともに、ずうずうしくも「横でガイドを聞かせて頂いて宜しいですか?」と聞いてみました。だれも「いいですよ」とは言いませんが、「お断りします」とも言われなかったので、そのまま厚かましく同行させて頂くことに致しました。
昔は男尊女卑で、男性が談笑する部屋と女性が談笑する部屋が別だったとか、当時の女性は纏足だったので、雨の日に女性が滑らないように通路には小石を埋め込んであり、その形も鳳や亀などと趣向をこらしてある。というような説明を聞かせて頂くことができました。


豫園では到る所に縁起の良い動物の姿をみることができます。
壁の上に泳ぐ龍を見ることができます。昔、龍は皇帝の象徴で、皇帝以外のものが自宅などに龍を飾ると、その者は首を刎ねられたのだとか。そこで、豫園の所有者はこの龍を「龍ではない」と弁明するために、爪を5本から3本に減らしたそうです。
また、別の屋根には、財産を象徴する鹿の姿などを認めることもできました。


豫園でガイドさんにお礼を言って別れ、ちいさなお店で、油揚げの入った春雨丼を食べ終わったら、13時半を過ぎていました。
