寒山寺は、南北朝時代に創建され、中唐の詩人、帳継の七言絶句「楓橋夜泊」で広く知られています。

江村橋は、寒山寺南門付近に架かる石造の太鼓橋で、起源は唐の時代にさかのぼりますが、今の橋は清の時代に修造されたということです。いかにも中国らしい風景だと思いませんか?

境内には、本堂にあたる大雄宝殿があり、仏事はここで行われます。その前庭に置かれた香炉では線香が炎を上げて燃え盛っていました。
日本ではここまで盛大に線香を焚くことはないように思いますので、ちょっとびっくりです。

そしてこれが、寒山寺の境内に建つ「楓橋夜泊」の石碑です。
高校の頃に教わった漢詩に出会えて、訳も無く嬉しくて、思わずガイドさんにシャッターを押してもらった一枚です。

その石碑に刻まれている七言絶句は
月落烏啼霜満天、 (月は落ちて烏の声が聞こえ、霜の気配は天に満ち)
江楓漁火対愁眠。 (運河の楓といさり火が、旅の浅い眠りをかすめる。)
姑蘇城外寒山寺、 (そのとき姑蘇の城外の寒山寺から、)
夜半鐘聲到客船。 (夜半を告げる鐘の音が、私の船に聞こえてきた。)
寒山寺の境内の東端に建てられた普明宝塔に登ると境内を見渡すことができます。


そして、眼下の建物の屋根を見ると、沢山の投げ込まれたコインが瓦の中に輝いていました。参拝客がコインを屋根に投げて、落ちずに上手く屋根に止まると、財をなすことができるんだそうです。どこの国でも庶民の願いは変わらないものですね。
