九合目となる経塚山で、数人の登山者と出会いました。
皆さん60歳代と思える男性の方々です。
決算下半期初月の31日、私も会社勤めをしている頃は、山になんぞ登れる日ではなかったはずです。
数十年間、真面目にガムシャラに働いてきたとはいえ、平和で豊かな国に生まれたことに感謝、感謝です。
せめてこれからは、寝たきりになって世話を掛けたり、ボケて迷惑を掛けたくはないと、心から願っています。
体を使いながら楽しく暮らすとボケないってホントでしょうか?
北東の方角に避難小屋が見えました。
柔らかな陽射しの中で、静かな恋の物語でも始まりそうな佇まいです。
霊仙山のピークへ向かって、なだらかな草原が続いていました。
風のない稜線に、馬酔木が肩を寄せ、ささやかな茂りを見せていました。
ピークへ続くカルストの中に、あかまんまが、さわさわと花を咲かせていました。
都会の片隅で咲けば雑草なのに、 花の百名山で咲くと特別な存在に見えます。
しかも、矮性化しているので、少し形態に変化が見られます。
どんな場所に根を下ろしたかによって、花も人も運命が大きく変わるのでしょうか。
三角点がある1084mの霊仙山のピークに到着したのは11時13分でした。
腰のポシェットにアンパン一つ、という身軽な恰好でのんびり登ってきましたが、予想より早い登頂となりました。
頂上で周囲を眺めているうちに、西の空に雲が広がってきました。
花の季節ではありませんので、早々に山頂を下り、最高地点のある隣のピークへ向かいました。
白い石灰岩の中の踏み分け道を10分程も歩くと、1098mの最高点に到着しました。
北東に、先ほどの経塚山と避難小屋が見えています。
このピークからの西南尾根には、早春になると、黄金色に輝くフクジュソウの群落が見られるそうです。
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