邦画ブラボー

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木下恵介番組感想

2006年11月08日 | ★TV番組
木下恵介特集、
「二十四の瞳」「陸軍」
「日本の悲劇」「衝動殺人:息子よ」「この子を残して」が紹介され、
市井の人々の幸せを踏みにじる
「戦争」と「弱者への視点」というテーマでしたが・・

いち映画ファンとして
正直な感想を述べますと、

「全盛期を過ぎ一線を退いた木下監督が
晩年は雀を眺めながら隠遁生活、
「衝動殺人:息子よ」「この子を残して」で最後にメッセージを残した」という
一側面だけを強調した内容で、
確かに戦争への憎しみは木下作品を貫いているテーマではあったと思うが
ただ単に悲劇を描くだけではなく、作品の中では愛、
生命への賛歌も強く謳っていたのである。
そして痛烈な皮肉も!

ユーモアも、愛も、アイロニーも、
お洒落も、音楽も、実験的な映画手法も
全く紹介されなかったので、
初めて作品に触れようとしている人たちには
単に社会派、反戦派の監督としてしか捉えかねられない。
非常に片手落ちという印象でしたわ。

まあ国営放送の番組意図は
木下作品の紹介だけではなかったのかもしれないが。

久しぶりに木下監督のお顔を拝見できて、
映画への熱い思い、
売れてなんぼの映画界への憤りなども聞けたことは収穫だったけれども。
鳥が好きというところが私と同じで嬉しかったけれども。

あの素晴らしい音楽的な世界、
圧倒的な映像世界は何処へ???

な~んか一方的な編集の番組が
目立つ感じがするのは気のせいか。

せっかく木下忠司、楠田夫妻も出演されたのに
私は真面目に
木下忠司さんの作品のような美しく豊かな音楽教育が
今の世には必要なのでないかと思っていたので。
別の切り口も示して欲しかった。残念だ。

また違う木下研究番組を切に希望!
木下センスが爆発している「カルメン故郷に帰る」など
若い人にも見て欲しいものね。

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