なぜ「赤い橋」にたどり着いたかといいますと、
そもそもの発端は
高倉健主演のテレビドラマ「チロルの挽歌」でした。
そこで「挽歌」にひっかかり・・・ 北原ミレイの「石狩挽歌」へ→ 「懺悔の値打ちも無い」
→ 刃物系 → 「かもめ」の歌詞 → 浅川マキ → 「赤い橋」とまあそうなったわけです。
「チロルの挽歌」は山田太一脚本の1992年に放送されたドラマで、
北海道芦別市が舞台になっています。
健さんには珍しく、女房(大原麗子)に出て行かれた男、という役柄を演じているのが
興味深かった。過疎化した町起こしに奮闘する市長役の
河原崎長一郎が珠玉の演技を見せるかと思えば、
頑固な牧場主役の岡田英次も役者魂を見せてくれる。
ユーモラスで、スパイス的な役割の金子信雄と、
芸達者が揃ったドラマでした。
そして大原麗子と駆け落ちする男がなんと
杉浦直樹なんですから、見る前から期待していました。
山田太一の脚本は、それぞれのキャラをうまく引き出し、
北海道の小さな町を舞台に絶妙に絡み合わせます。
どうなるんだろうと最後まで
ひっぱるところもさすがです。
大原麗子が、生涯のベストワンの作品だと自負していたそうなのも
納得。
彼女の役柄は、まるで大原麗子そのもの?のような強い女で、
不倫・駆け落ち(しかも夫の知り合い)・娘も捨て:失踪 したのにも
かかわらず、夫に見つかっても開き直って堂々としています 爆
「私だって、すみませんばっかりじゃないんだから。私も言いたいこといっぱいあるんだから」
と、「無口で男らしくていい人だけど、女の気持ちがわからない夫」をなじります。
しまいには「(高倉も杉浦も)どっちも好き!うまくやっていけないでしょうか!」
と、
登場人物そろった場所で公然と言い放つではありませんか!
どっちとも別れたくないなんて
普通だったらわがままで身勝手で小悪魔どころか大悪魔です 爆
でも
大原麗子に微笑まれると
捨てられた娘でさえもにっこりしてしまうのです。
あっけにとられたのは私だけではありますまい。
高倉健は、
女房に再び振り向いてもらうため、
自分を変えようと努力します。
泣けます。
大原麗子だから成り立つドラマ、
健さんだから納得できる、ドラマだと思いました。
ちょっとファンタジーが
入ってるところも山田太一らしい、作品でした。
最後のシーンでは
今まで見たことない
アルプスの青年健さんを見られる貴重な作品です。