「三人家族」は
竹脇無我演じる上昇志向の強いエリート商社マンと
通勤電車で出会った、OLの栗原小巻の恋を軸に
親しくなった互いの家族(同じく三人家族)の間の人間模様を細やかに描いています。
竹脇の家族は、
定年まで勤め上げたサラリーマンの父(三島雅夫)と
、のんき屋の浪人生の弟(あおい輝彦)の男家族。
家族のように親しまれている家政婦の菅井きんが
女らしくて可笑しくて、ほろりとさせて一家にかかせない存在になっている。
三島雅夫は、悪役から家康のような老獪な役と、なんでもこなす変幻自在の役者だ。
若尾文子様との「雁の寺」の住職なんて、ほんとに嫌な奴でしたが・・
この作品では、いつも朗らかで優しくていいお父さん。
菅井きんとの絶妙なやり取りは、必見です。
栗原の父親はというと、幼いころに失踪。
以来女手一つで母親(賀原夏子)が娘たちを育て上げた、女三人家族である。
思ったことをずばずば言う天真爛漫な妹役を沢田雅美が演じている。
沢田さんはこのキャラを橋田ドラマまでずっと保ち続けているような・・・
賀原夏子は、下町のおかみさん的な役が多いイメージだったけど、
ここではレストランの女支配人という ハイカラな役。
「シン・ゴジラ」の石原さとみよりずっと流暢な英語で外人客相手に話すシーンもあり、びっくりです。
演技が上手い人って、きっと英語もうまいんだなと思う。
美男美女の竹脇&栗原コンビは
どこの角度からみても100点満点だ。
ウキウキするような恋の始まりから、いらだち、とまどい、切なさ。
いいですね~~
恋というものは すてきな もの なんだ~~~♪
という歌があったものだったが・・・
二人の恋の行方を追いかけつつ、
家族同士の心温まる交流を見る 至福の時間。
けっこうみんな本音をズバズバ言い合うところも新鮮だった。
栗原のお父さんの失踪理由がいまいちピンとこなかったけど
男それぞれ生き方が違って・・
現実に満足できなくて、夢を求める男と
運命を甘んじて受け入れ、耐えて行く人(三島)と
いうことだろうか。
竹脇無我の、仕事のために
栗原への思いを抑える鉄の自制心もすごいと思った!
人はみんな寂しいから、みんな人にやさしく出来る。
いいな いいな にんげんっていいな~~~♪
まさにそう思うエンディングであった。
矢島正明の、折り目正しい二枚目な声も良かったな~~
爽やかな秋にふさわしい、大人のドラマでした。
今日も良い日でありますように。