博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

25%という数字

2009年09月22日 | 時事
 鳩山総理が国連気候変動首脳級会合で25%削減を目標として打ち出しました。これについては国内の産業界などから多くの不満が出ています。一般家庭の家計に年間○○万円の圧迫といった記事も出ています。この25%という目標は非現実的でしょうか?
 1970年にアメリカはマスキー法という法律を作りました(実際には以前からあった法律の改定という形ですが)。内容は自動車の排ガス規制で、1975年以降に製造する自動車の排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)の排出量を1970-1971年型の1/10以下にするというものでした。さらに1976年以降に製造する自動車の排気ガス中の窒素酸化物(NOx)の排出量を1970-1971年型の1/10以下にすることをそれぞれ義務付け、達成しない自動車は期限以降の販売を認めないという内容でした。これらの規制値は当時としては非常に厳しいもので、当時の技術としては達成不可能と言われていましたし、米国自動車工業界からも反発が激しく実施前年の74年には廃案になってしまいます。ところが日本の本田技研工業が1972年に開発したCVCCエンジンが見事にマスキー法の規制をクリアしてしまいます。その後70年代後半から80年代に向けて日本の自動車はアメリカでのシェアを伸ばしていきます。アメリカ産業界からは日本の自動車は脅威とまで見なされるようになります。
 ここ1年の動きを見ても、京都議定書への参加を拒否し、自動車の燃費改善にも消極的だった米国自動車業界は不振に陥り、GMなどは6月に倒産してしまったことは良く知られている通りです。一方でトヨタのプリウスなどは金融危機下でも注文に生産が追いつかない状況です。
 このように非現実的なまでの高い目標は技術のイノベーションの機会になるのかもしれません。

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