
今回の黒川東京高検検事長の醜聞が明らかにしたものはなんでしょうか。賭博という違法行為を平然と行う検察官、その検察官と癒着し供応を行う新聞記者、これは我が国の法務行政の腐敗が病膏肓に入ったことを示すものです。
その黒川氏の定年を延長したのは誰か?いうまでもなく安倍政権です。このことに関して、すでに今年2月19日の段階でジャーナリストの江川紹子氏は次のような批判を行っています「・・・現政権はなぜ、こんな無理筋の恣意的人事をあえて行ったのだろう。与党議員が絡む事件捜査に圧力をかけようという憶測が飛び交っているが、黒川氏がいかに優秀でも、彼ひとりで、検察が組織を挙げて捜査し、証拠を固めた事件を封じ込めることができると考えるのは、あまり現実的でないように思える。なんらかの具体的な事件を“潰す”とか、黒川氏に何かをさせるためというより、国会議員や首相経験者すら逮捕できる強大な力を持つ検察といえども、人事を牛耳るのは官邸だ、というところを示し、力関係を検察組織(とりわけ幹部候補者)に見せつけるのが、最大の目的ではないか。それはとりもなおさず、官邸に権力を集中させる一強体制の仕上げでもあろう・・・(注)」
そうしますと黒川氏のような人物を「選びに選び抜いて」検察組織内の官邸エージェントに仕立てようとしていたことになります。このような発案を行ったのが安倍総理だとすれば、安倍総理は究極の人を見る目のない人物ということになります。そのような人物が我が国の内閣総理大臣として7年半にわたって存続できた(できている)ということこそが究極の我が国の「国難」ではないでしょうか。私たち日本国民は既に半分「死んでいる」のかもしれません。
(注)引用元:江川紹子の「事件ウオッチ」第146回 Business Journal 2020年2月19日 https://biz-journal.jp/2020/02/post_142451_2.html