とりとめもなく

この星の人間はみな頭にアンテナを付けている

全方向の大きなパラボナをつけ重そうに歩いている人

指向性のアンテナをつけ一点をじっと見つめる人

フィルムアンテナをおでこにはり軽やかに歩く人

さまざまな周波数が飛びかう道


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すれ違いざま

触れもしないのに空気が揺れるときがある

道通waveは思念のうねりをともないやってきて

わたしの胸にぽちっと赤いしるしを残し

引く波のように消えた

さらさらとあとかたもない


立ち止まって会話をするでなし

単線軌道の正面を向いたまま

時を知らぬまますれ違う

目に見えない軌跡がクロスする


そこは現世の逢魔が辻

常夜を越えてやってくる

荒ぶる神と出会うまで

赤いしるしは眠らない。