睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

私の終戦記念日

2018-08-15 09:55:35 | 時事・世相・昭和~令和




年に1度はめぐりくる終戦記念日だけど、

私の胸に父が生きてる限り忘れることはできない。

幼い頃に母と離婚した実父の顔は写真でしか知らない。
16歳のときだった。
仲がいい母子ふたり暮らしから突然母を奪った新しい父。

彼の腕に残る深い傷は私がつけた。

親戚の家に預けられた私はきれいごとばかりじゃない人生の
ひだの中にいて、いつ燃え尽きてもいい刹那に生きる自分に
しこたま酔いしれていた。

荒れた数年間を経て家に戻ったとき、
父の心に戦争がもたらした深い傷があることを、
死ぬまで背に担う重い荷物があることを知った。

同時に、
世の中でいちばん不幸だと思っていた自分の愚かさも知った。
父の魂の痛みに比べれば自分のはカスリ傷みたいなもの。

酔うと縁側で軍歌を唄う父のそばにいつも母が寄り添う。
肩を震わせる父の背中を撫でながら手ぬぐいを渡す母を見て、
負けたよ、あんた。

私より父を選んだ母をまるごと理解できた。
その日が私の終戦記念日。
何年のいつのことだかは定かではないので、
父の命日をその日とす。親父part7(Last)



誰かがを上げてくれた記事ふたつ、
ありがとう。

8/15は終戦記念日
生等(せいら)もとより生還を期せず

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿