睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

カモメとつれづれにおもうこと

2010-12-17 06:55:09 | 時事・世相・昭和~令和



すわり心地のいい椅子。
カリモクの椅子は肘置きの部分と背中のフレームが樫の天然木で、
座面と背中のクッションはオリーヴグリーンのカーフで張られている。
16年前に曲り木の見事さとシンプルな機能美に一目惚れして買った。

張り革は千衣子の爪とぎ代わりに使われ、ささくれ立ってぼろぼろだし、
肘置きもあちこち傷だらけ。並んで置いてある最新型の椅子と比べると
わが椅子は古色蒼然としているが...それでいい。
好きというのはそういうことなんだ。

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CSで録画した第二次世界大戦末期のフィルムドキュメンタリー。
BGMがわりにDISCOVERYを見ていたら、淡々と語る英語放送に
OKINAWA・KAMIKAZE・TOKKOUTAIの言葉が混じってくると、
もう視線はテレビ画面に釘付けになる。
本土決戦、沖縄上陸、自決や戦死した日本人が6万6千人余。

手榴弾を投げ込まれた防空壕から黒コゲの日本人が転がり出て
一瞬仁王立ちになりバタリと倒れた。
もう動かない。

黒く汚れた衣服の幼児が手足を震わせ焼跡に座っていた。
米兵の差し出す水筒に身じろぎもせず、児の瞳は空(くう)を
見つめていた。
幼児の徹悟した絶望の姿が胸をかきむしる。

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千里眼と云われた「御船千鶴子」
彼女は鈴木光司著ホラー小説「リング」の貞子の母の
モデルになった悲劇の人。
東大助教授・福来友吉氏が千鶴子の研究を重ねていた。

明治44年1月18日、千鶴子自殺・・・(新聞は罪なことをする)
千鶴子亡き後、東大を追われた福来氏は四国巡礼の旅に出た。
福来氏がもらした言葉、「私には思いやりの心が欠けていた。」
その後、氏は生涯を在野の心霊研究家として過ごす。

彼女は生まれるのが早すぎた。明治のあの時代は科学万能
崇拝が強く、scienceが証明できないことには排他的だった。
今の世だったら教祖様になれるのに。

超能力があるのかどうかは別にして、
確かに不可思議なことってある。

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句歌を夢中でやっていると
やるせない特技が身につく
行間に込められた
目に見えない言葉を読んでしまう
タイトルに心の揺れを察してしまう
書きたいけど、書けない、だけど書きたい
そんな真実のセンテンスを読みとってしまう

当たり前だよな
その逆をやるのが歌人なのだから
なにもかも未熟

煩悩も迷いも愛もそのままに
全部ひっくるめて刹那に生かす
追い詰められ寸暇を惜しみ生を削る時
凝縮された言葉は圧縮された行に宿る。

 



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