来年1月中旬から始まる石狩湾系ニシンは、漁期序盤は大型・高齢群が主体、中盤は4年魚主体、終盤は3年魚主体で来遊量は前年漁期を上回る見通しにある。
道総研の中央・稚内水試は、このほど令和2年1月〜3月の石狩湾沿岸に来遊する日本の漁況予報を発表した。ポイントは次の通り。
① 漁期序盤(1月)は5年魚(2015年級)と6年魚(2014年級)の大型・高齢魚が主体となり、来遊量は昨漁期並み〜若干上回る見通し。ただし、この時期の漁況は水温分布などに大きく影響される。
② 漁期中盤(2月)は4年魚(2016年級)主体となり、来遊量は昨漁期を上回る見通し。
③ 漁期終盤(3月)は3年魚(2017年級)主体となり、来遊量は昨漁期を上回る見通し。
今年10月に留萌沖で実施した試験調査船「北洋丸」によるトロール調査では、29㎝モードの4年魚が38%、尾叉長24㎝にモードの成る3年魚が36%と大半を占めた。この結果を用いて今漁期の来遊状況を予測し、6年魚は昨漁期まで漁獲の主体で、豊度が高いから「増加」、5年魚は2015年級で昨漁期(2014年級)に比べ「減少」、4年魚と3年魚は2009年度から続く高い資源水準にあるとしている。
道総研では「漁模様は漁期直前の海況に大きく左右されるため、今漁期も地域間で好不漁感の違いが大きくなると予想されるが、石狩湾沿岸で水温分布などに大きな異変がなければ、漁期を通じて昨漁期を上回る来遊があり、特に中盤〜終盤にかけて来遊が多くなる」と見ている。
なお、昨漁期の石狩湾ニシンは4月末までに1,854㌧で前年比74%だったが、沖合での混獲と含めると、2016年度と同程度で、2008年度以降の高水準の範囲にあったと判断される。