8月10日に解禁された北太平洋公海のサンマ棒受け網は、17日に続いて23日、29日に500㌧の水揚げがまとまり、花咲を中心に前年を大幅に上回るペースとなっている。
漁業情報サービスセンターによると8月末までの全国水揚げは2,611㌧で、前年同期の4.5倍に達した。㌔単価は809円で同じく74%増。漁獲されたサンマの組成で110g以上が多く、ジャミばかりだった昨シーズンの走りとは様変わりしている。
今シーズンは大型船45隻、中型21隻、小型31隻が出漁する予定で、主要港の花咲には1週間サイクルで大型船、中型船の入港が相次ぎ、道内では厚岸、本州では大船渡、気仙沼、女川、釜石にも水揚げされ、加工流通の評価が高かった。大型船は平均で16㌧台の漁獲があるようで、前年より10日間解禁を早め、公海の漁場に向け㌧数階層の区別をしない一斉出漁としたことが好調につながっている。
累計でも花咲が2,159㌧で全体の8割以上を占め、前年8月分に比べ4.3倍。㌔単価も786円で7割アップとなっている。
そのほか、厚岸が176㌧・619円で、数量3.4倍、価格7割アップとなっている。また、大船渡が160㌧・993円、気仙沼が48㌧・1,349円、女川が42㌧・1,146円、釜石が26㌧・1,003円と本州主要港は㌔1千円前後の高値で取引されている。
台風明けの9月にも同様の水揚げが続くのか、注目される。公海はNPFC(北太平洋漁業委員会)で各国の漁獲上限が決められているが、いぜん漁獲が過熱しており、日本漁船が利用する公海および200海里内の資源への影響が心配される。