さて、再びウボンの街に戻り、もう一つ、ガイドのおすすめのわっと・パイヤイという寺院を訪れた。このお寺はタイでは有名なウボンのロウソク祭で知られるパレード用の山車が置かれていたり、大型ローソクも展示されているらしい。
境内には家族連れ、遠足の女生徒たちがあちこちの芝生に座っている。別のグループの女生徒たちが天秤棒を担いで何やら売っている女行商人に群がって歓声をあげている。なんと長閑な光景である。塔の軒下に数日前に祭りに使われた10メートルはあるであろうローソク山車が放置されている。台の上には宝船、大波に乗ってそれを後ろからおっかける鎧に身をまとった兵士たち。波間に人魚のような女たちも泳いでいる。大魚、亀なども船の下に見える。いったいこれはなんだ。すべてが黄色のローソクでできている。またいつかパレードを見たいものだ。
昼食は胃の調子が今いちなのでできることならきつねうどんくらい食べたいものだが当然ペケ。せめて、と目に留まったのが中華レストラ、名前はホン・アーハン・ラチャアニーという店。焼き飯を食べる。冗談で日本食はあるか?と聞いてみる。サシミならあるよ、と。カンボジアまで150キロ、ラオスまで85キロの隣接タイの内陸奥でどうもサシミは似合わない。興味はあったが注文はせず。できれば農家での昼食を、なんてガイドにお願いしていたがそんな気分に余裕がなくなった。強硬な行程、熱さ、湿気、臭い、ことさら総じて異文化の過度の接触のせいだ。
昼食後満腹感からか睡魔におそわれ車に乗ると空気が抜けた風船のようにうとりうとりとしてしまった。
実はあいにく今日は日曜日である。教育機関はすべて休みである。残念ながら中に入れない女子中等学校、教員養成大学、テクニカルカレッジを外側から概観することにとどまった。芝生の鮮やかな緑の校庭と白柱にはためく国旗が印象に残っている。
余すところ30分あったが睡魔が容赦なく私の最大の欲望となった。早く眠りたいので次なる目的地ナコンパノム行のバスに乗り込むことにする。ガイドのチャイシット君に取決め料金を払い「チョックディナカップ!」(グッドラック)とお互い握手をして別れる。
ウボンは華僑の経営するムアンにすぎない。
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