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タイ・ユング旅行 ⑳ カニヤさんの学校  -’86 夏ー

2021-01-06 05:28:13 | ラーブリー
 昨年夏に会った時、彼女の服装はいわゆるタイの官吏の制服のカーキ色であったが、今年の彼女は白のブラウスと模様入りフレアといったまったくラフな服装であった。時代が変わったのか、たまたまそうだったのか、はたまた昨年よりフォーマルな日であったのか。タイの学校では生徒も教師も服装はかなり厳格と思っていたのであるが。(*実は、タイではほとんどの学校で曜日により制服、私服、ボーイスカウト服、民族服などを使い分ける、ということが後ほどわかった。)
 彼女の運転するバイクの荷台に乗せてもらって中央通りをまっすぐに西へバンポン駅に突き当たりそれを右に折れてしばらく行くと線路の対側に彼女の中等学校ラッタナラタバンルアン校が現れた。先ほどの線路に沿って広いグランドがありその西側一帯を校舎が占める。校舎から校庭の眺めはすばらしい。周りは深い森に囲まれその繁みの間から鮮やかな黄金色の色彩でワットが目に飛び込んでくる。校庭の大樹の下のベンチには何十人もの生徒が自習をしたり談笑したりしている光景はなぜか長閑である。タイの学校ではこうした校庭の植樹林は大切な学校施設である。サバーイ(心地よい)な涼み場所であると同時に落ち着いた伝統を醸し出す学校環境となっている。
 さて、バンポンには中等学校は公立が2校、私立学校が2校、職業学校が1校ありこの学校もその公立の1つである。1920年代に創立された伝統ある学校である。ほぼ11才から18才の生徒が現在2,500名在籍し教職員は120名の大規模校である。
   学校組織体制について少し触れておこう。我々の場合は校長をスクールマスターとかプリンシパルと呼ぶが彼らはダイレクターと呼んでいる。となれば「校長」というより「所長」とか「理事長」といったニュアンスが感じられる。つまり経営者の側面である。その下に教科部門、サービス部門など4部門があり、その代表者として4人の副理事長(副校長)が置かれる。カニヤさんはその教科部門の外国語科の主任である。ついでながら彼女の英語会話力は見事である。
 職員室は教科単位で分かれており日本の多くの学校のように学年や分掌中心の配置ではない。ダイレクターの呼称といい、職員室の配置といい、日本とタイとの教育現場での国民的要求の相違を垣間見た感じがした。カニヤさんにこうした職員室を案内してもらう。
 まずカニヤさんの所属する教科部門の職員室に連れて行ってもらい教科部門の副理事長氏に挨拶する。教科は社会、理科、数学、外国語、工芸、芸術、タイ語、体育であるが選択で農業や美術に特色があるという。次の昨年にお会いしたタイ語科の女性の先生、理解の主任の男性の先生にも挨拶を兼ねて巡回して回る。途中、ダイレクターにも偶然会い、後に挨拶も兼ねて校長室に寄ることになる。
  ちょうど授業が始まるところなのでいろんな先生とゆっくり話し込むことはできなくて残念であったが私の性格上なのだが「ここにいる」という実感や感動は目にするもの出会う人々すべてを忘れがたく懐かしくさせた。
 カニヤさんがいる外国語科の職員室に入ると若い大学生風の男女20数人がなんだかワイワイ雑談している。聞くと教育実習生の控室になっているという。カニヤさん達もその実習生への対応に・・・・・だなあ・・・・いずこの国とて。タイでは一般系大学の学生の実習期間は1学期間(約4カ月)が課せられており教育系の大学生は2カ月が課せられているという。日本の2週間とは比較にならない長期間である。現在、この外国語科にはナコンパトムのシラパコン教育大学生を中心として英語又はフランス語科目の女子18名、男子3名の実習生が緊張の中にも陽気そうに待機していた。


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