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ノーンタカ村(6)初めてのアピチャート氏

2021-12-02 15:43:22 | ウドンタニー
 夕刻、あたりが薄暗くなるころ雨混じりの風が吹く。ヤシの葉のざわめきが激しくなり、大粒の雨が池の水もを叩く。私のガイドはヤシの実が車にあたらないか真顔で心配している。
 奥さんが出してくれたコップの水を飲み、床下へ行って身体を洗い、車から荷物を取り出して、私が今晩から泊めてもらうであろう部屋へ運び入れ旅装をといた。
 子ども達とお土産に持ってきたクレヨン、画用紙で絵をかいて遊ぶうちに、ややお腹が空いてきたので、ここから30分ほど行った所にあるウドムタニへ夕食をとりに行こう、ということになる。
 タイ料理を食べ、ウイスキーをひっかけて夜8時半頃に帰宅すると、裸電球の下でゴザひいて一人チビチビやっている男「遅いなー!」これが第一声であった。この男こそ、アピチャート氏であった。パッカオマーを腰に巻いて、上半身裸でがっしりとスポーツで鍛えたような肩、腕を出して一人で酒を飲んでいる。なかなかの男前である。「よく来た、よく来た!**は元気にしているか?」初めて会った者同士ではない錯覚になる。少々、酔って帰って来たが再び宴の席となったのである。
 そこで、民族学的収集である。
村のこと、学校のこと、教育のこと、家族のことなどが話のテーマになったのである。
 <アピチャート氏からの情報>
 ・ウドムタニ県は20の郡がある。
 ・ここはノンハンといいノンは(池、沼)のこと。ハンは(勇ましい)という意味らしい。
 ・ノンハン郡は人口十一万人くらいである。
 ・ノンハン郡にはさらに村が154村ある。ここはノンハンという村である。
 さて、アンプーとは「郡」ということだが、その下位にムーバーンとなるが、これは「村」、「地区」といった日本語になろう。

  <ノンハンの謂われ>
 ここが「ノンハン」と呼ばれるようになった伝承をひも解いてみるとつぎのようである。
 昔から一年に一度、花火大会があって、いろんな町から村から集まって競争をしたそうな。その大会にある町の王さまの娘が参加していた。他の町の王さまの息子たちはその娘を見て、綺麗だなあ、と思った。王様といっても天に住む王もいれば地の中に住む王もいる。地の中に住む蛇の王もいた。
 その地に住む蛇の王の息子も「きれいだな!」と思った。しかし、自分は蛇である、蛇なら娘も寄り付かないだろう、と思い、祈って「タヌキ」になった。するとその娘は「あのタヌキはかわいらしいわ。あのタヌキ捕まえて持って帰りたい。」と言った。
 それを聞いた兵士たちはとにかくタヌキを捕まえようと追っかけ、誤って鉄砲を使い、撃ってしまった。タヌキは「もし私の肉を食べたらこのノンハンの町は滅びるだろう」と町の人々に言った。しかし、人々は、このタヌキの肉を分けて食べてしまった。
 自分の息子が殺された、と知った地の中の王様は怒り狂ってこの町の住民を皆殺しにしてしまった。こうした昔話からこの地をノンハン「いさましい」、「戦争のあった」沼と命名したとさ。
 ちなみに、この花火大会とは、5月に行われるボンファイのことであろうか?タイの正月にあたるソンクランは4月に、5月はボンファイ、7月は米の収穫を祈るカオパンサー、10月には収穫に感謝するオークパンサーなどがある。いずれも、農民と僧侶が稲作の安寧を祈願する古来からbの伝統行事である。



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