ロンドンの東北、北海に面したあたりにノーフォーク湖沼地方がある。
湖水地方は氷河の後に200以上の湖がある風光明媚なところだが、ノーフォークは、川を中心に沼や湖や湿地ができている地帯。水郷である。
人々は、川を中心に生活をしていた。
ここもまたアーサーランサムの小説の舞台になったところで、30年前にも一度訪れたことがある。
川に沿って家が立ち並び、それぞれの家が船着場を持っている。
日本では見られない光景が広がる。すごく美しかった。
その記憶から、今回、1週間川べりのサマーコテッジを借りた。
左から2件目の家。サマーコテッジ。
両隣の人は、庭で毎日釣りをしていた。
鉄道駅はノリッジ。ロンドンから2時間。
そこから、ローカル線でロクサム&ホブトン駅まで。1時間に1本。
ロクサムの標識は、絵葉書にもなる程有名だ。
ホブトンのステイス(船溜り)は、多くの個人所有の船と貸し出し用の商売の船と観光船が繋がれている。
その間を白鳥が、行き来している。
カモに餌をやるように白鳥に餌をやる人たち。
ランサムファンにはなじみのホーニングからランワス湖まで、遊覧船にのる。
ホーニングのステイスには、ヨットもたくさん集まっている。
ランサムの物語に出てくる白鳥亭も健在だ。
船は右側通行。
時速4マイルまたは5マイル(時速6〜8キロぐらい)の制限速度があるから、のんびりした運行だ。
でも、違反する人もいるらしい。ポリスボート。上に青い電気がついている。
船着場を持った家々。
観光船にすれ違うと、みんなが手を振ってくれる。
家の中から子供が飛び出してきて手を振ってくれたりもする。
のどかな休暇中の風景だ。
そこに住んでいる人もいれば、借りている人もいる。
この水車小屋の家も貸家。
この茅葺屋根の家も貸家。
いかが?
湖沼地帯ならではの珍しい鳥もいる。
Grey heron
慌てて撮ったらボケボケでした。
庭でゆったりブランコに腰掛けている人。
休暇はこうでなくっちゃ。
個人のボート相手のアイスクリーム船。
Free mooring(係留自由)と書いてあるところで商売している。
ランサムの話にでてくるディンギー(小舟)を連れている船もしばしば見られる。
フェリー乗り場、これも、ランサムの話にでてくる。
今では、対岸の自然散策路へ人を運んでいる。
こんなところを走りながら、
こんな景色を眺めて進む。
一面の葦原。沼地ならではの光景だ。
日本では小型船舶免許がいるモーターボートの運転も誰でもできる。
翌日は、借りてみた。
ちょっと操作を教えてくれただけで、はい、いってらっしゃ〜い。
運転中の息子
遊園地の車のようで、スピードがでないから、広い川で事故になることはまずない。
ただ、つないで、上陸するときは、バックで入らなくてはならず、他の船も係留してあるしドキドキ。
ヨットやカヌーは優先しなくてはいけない。
予測のできない動きをするから混んでいるところは怖い。
スキー場で、スノーボードが多いときの気分。
ちなみに、もう少し大きな船(キッチン、寝室付き)を借りて、川の上で寝泊りしながら休暇を過ごしている家族も多い。
船に寝泊りして、庭だけという家もある。
ランサムの小説の中に出てくるロイズというお店が、今も健在で、ノーフォーク一帯を未だに牛耳っている。
これだけ水と親しんだ生活だと、当然、船大工や船の修理の会社も多い。
ランサムの本の中に、「この辺り(ノーフォーク)の子供達は歩く頃にはヨットをあやつっている」
いいなあ。ノーフォークの子供たち。
日本人の観光客はあまり訪れないところですが、ぜひ、長期滞在でのんびりしてほしい場所です。