曽野綾子著『それぞれの山頂物語―今こそ主体性のある生き方をしたい』講談社文庫、を読みました。
曽野綾子さんは好きで結構読みますが、今回読んだこの「それぞれの山頂物語」も良かった。
私たちは日本の生活の中で埋もれて、日本の価値観でしかものが見られなくなっていますが、曽野綾子さんは世界中で行っている慈善活動の中から、世界の常識について気づかせてくれます。
また最貧国の生活状況を語る中から、私たちが持っているのにその価値を見失っていること、逆に私たちが物質的な豊かさ共に捨ててしまった大切なことを教えてくれます。
表題の「それぞれの山頂物語」は貧しい人がした寄付行為は有り余るお金持ちがした寄付行為より尊いという話しから、3メートルしか歩けなかった人が100メートル歩けるようになったら普通歩ける人がエベレストに登ったことと同じ価値があるかもしれない、それぞれの山頂物語があるのだと結んでいます。
ほんとうにそうだなと気付かせてくれる話しばかりです。
是非読んでみて下さい。
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さて、震災からあと僅かで1年が経過します。
私も被災国日本人として、又被災地支援を行った一人としてあの震災を決して忘れてはいけないと思いますし、1年を振り返りさまざまに思うことがあります。
ただ、3月11日に向かうマスコミの報道などを見ていると非常に違和感を覚えます。
繰り返される津波の映像、避難生活の映像、被災者の声。
これらが私たちの知りたいことか?
被災地の人たちの生活にプラスになることなのか?
と思います。
あくまで想像に過ぎませんが被災者の多くは静かにその日を迎えたいのだろうと思います。
アメリカでは、同時多発テロの映像を放送することを規制していると聞いたことがあります。
ただイタズラに恐怖心をあおり、トラウマになる恐れがあるためだそうです。
私はテレビを消して、家族と共に3月11日を迎え、あの時間に心静かに追悼しようと思っています。
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