こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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第32回緩和ケア研究会

2009-12-16 21:58:55 | めぐみ在宅緩和ケア関連
昨日は、うちの訪問看護ステーションと、めぐみ在宅クリニックで関わった患者さんの事例発表を通して、いつもの振り返りをしました。
治療を行っていた病院の主治医グループや看護師も、わざわざ来て下さいました。
これは、すごいことです。
普通、病院の先生たちは、院内のデスカンファをすることはあっても、地域に帰った患者さんのデスカンファに出ることなど、まずないからです。

そういう意味では、画期的な事ですが、それだけこの事例の患者さんに対する思いが強かったということです。
それは、私たちにも言えることで、これからも忘れられない患者さんになると思います。

原稿は、私が記録から経時的におこし、あとで担当の看護師の意見も入れ、めぐみに送りました。
そこに、医師の診療記録も平行して入れ、長めの原稿となりましたが、大きな変化があり、強烈なアクシデントもあったため、これ以上短くすることは無理でした。

20代で結婚を前に死ななければならなかった女性の苦しみと、それを支える家族の苦しみに対し、私たちはどういう対応をすれば良かったのか・・・
何が支えなのか、どのようにしたらより支えを強くできるのか、支える私たちの支えは何なのか。
また、グループワークです。

私のグループは、AB型の人のグループで、さすがに少なかったですが、小澤先生もAB型ということが分かりびっくりしました。
でも、確かにそうかもしれません…
それに、聖マリ西部病院のホームケアのkさんも・・

一緒のグループに上品な女性がいました。
何のお仕事ですか?と尋ねると、ハープの奏者だということでした。
「ターミナル期の患者さんのおそばで、ハープの演奏をしています。」とのことでした。
いろんな職種の方が集まります。

今回の事例の方は、介護保険対象ではなかったので、ベットのレンタルも自費になるため、いつも格安で即納してくれるSさんにお願いしました。Sさんはとても気を使って、なるべく費用のかからない方法でレンタルをするために、レンタル料の高いエアマットをギリギリまで使いませんでした。
しかし、最後に褥創が発生し、エアマットを入れ替えている時に亡くなってしまった経緯があり、責任を感じてひどく落ち込んでいました。
精一杯、誠心誠意自分のできる事をと考えて、その結果たまたまそうなったのですが、彼にはとてもつらい経験になったようです。
そのため、Sさんにもこの事例発表を伝えたら、ぜひ参加したいと言って、参加してくれました。
帰り際、彼はなんと反省点などをレポートにして渡してくれました。

福祉用具の方々は、レンタルの導入や点検には入りますが、他のサービス業者ほど、患者さんとの接点がないように思われますが、地域で支えるためにはとても重要な仲間なのだと、あらためて感じさせられました。
真摯に仕事をするほど、関わった人も苦しむのがこの仕事なのだと思います。

だからこそ、支える人の支えが必要なのだということを再確認し、お互い支えあわなければならないのだと思いました。