昨夜、一人の女性がそっと眠りに就いたまま、旅立ってしまいました。
もう一度、目を開けて笑ってくれることを願っていた、愛する夫や子供たちを残して・・。
一緒に食べるはずだったクリスマスケーキは、今はそのまま彼女の祭壇におかれています。
数日前、やっとの思いで自宅に帰ってきました。
やせ細った体を、夫が2階の住居まで抱いて上がったのです。
跡取り息子は、母の姿になかなか向き合えずにいました。
高校生の娘は、本当にしっかり者で、いつも父親を支えて、病気の説明もなにもかも、一人で受け止めて涙を見せずに母を笑顔で介護しました。
笑顔で「おはよう」や「お休み」が言える事。
そんな当たり前のことが、こんなにも早く言えなくなってしまうなんて・・
「いてらっっしゃい!」と見送ることが、こんなにも早くできなくなるなんて・・
子を残す母がどんな思いで、娘の手を借りていたのでしょうか?
お母さん子の兄が、一人で泣いているのを、どんな思いで見ていたのでしょうか?
それでも家族は、いつも笑顔でお母さんの周りに寄り添っていたのに。
なんて、私たちは無力なのだろうかと、なんでもう一度「おはよう」を言わせてあげられないのだろうと、できもしないのに、そんな思いにばかりとらわれて・・
私たちには、想像もできないほどの絶望や悲しさを乗り越えてきたであろう、この愛すべきご家族を前に、言葉を失っている自分がふがいなくて・・・
そんな思いをかかえて、午前中にお顔を見に行きました。
でも、家族はしっかりと現実を受け止めていました。
脳天気なお父さんを演じていても、本当は強いお父さんなのでしょうね。
今は涙を見せず、あれこれ動いているお兄ちゃんと、やっと涙を流せた娘さんが、彼女の残した宝物です。
決して誰のせいにもせず、その別れを家族でちゃんと受け止めていました。
娘の施したお化粧は、睫毛までもクルリとカールさせて、本当にきれいなお母さんでした。
「お母さん、きれいね。」
「うん」彼女がうなずきます。
ずっと、母の亡骸のそばで、膝を抱えて泣いていたようです。
きっと素敵な娘さんになると思います。
この子は、みんなに守られて、素敵な女性になりますよ。
あなたのように。
心の中で、そう話しかけて帰ってきました。
本当は力になりたくて、支えになりたくて出かけて行ったくせに、逆に支えてもらったような気がします。
幾度となく繰り返される別れのお手伝いを「なりわい」としている私たちですが、
決してなれることはありません。
その苦しみに寄り添いながら、またそこから救われるのも私たちなのだと感じています。
もう一度、目を開けて笑ってくれることを願っていた、愛する夫や子供たちを残して・・。
一緒に食べるはずだったクリスマスケーキは、今はそのまま彼女の祭壇におかれています。
数日前、やっとの思いで自宅に帰ってきました。
やせ細った体を、夫が2階の住居まで抱いて上がったのです。
跡取り息子は、母の姿になかなか向き合えずにいました。
高校生の娘は、本当にしっかり者で、いつも父親を支えて、病気の説明もなにもかも、一人で受け止めて涙を見せずに母を笑顔で介護しました。
笑顔で「おはよう」や「お休み」が言える事。
そんな当たり前のことが、こんなにも早く言えなくなってしまうなんて・・
「いてらっっしゃい!」と見送ることが、こんなにも早くできなくなるなんて・・
子を残す母がどんな思いで、娘の手を借りていたのでしょうか?
お母さん子の兄が、一人で泣いているのを、どんな思いで見ていたのでしょうか?
それでも家族は、いつも笑顔でお母さんの周りに寄り添っていたのに。
なんて、私たちは無力なのだろうかと、なんでもう一度「おはよう」を言わせてあげられないのだろうと、できもしないのに、そんな思いにばかりとらわれて・・
私たちには、想像もできないほどの絶望や悲しさを乗り越えてきたであろう、この愛すべきご家族を前に、言葉を失っている自分がふがいなくて・・・
そんな思いをかかえて、午前中にお顔を見に行きました。
でも、家族はしっかりと現実を受け止めていました。
脳天気なお父さんを演じていても、本当は強いお父さんなのでしょうね。
今は涙を見せず、あれこれ動いているお兄ちゃんと、やっと涙を流せた娘さんが、彼女の残した宝物です。
決して誰のせいにもせず、その別れを家族でちゃんと受け止めていました。
娘の施したお化粧は、睫毛までもクルリとカールさせて、本当にきれいなお母さんでした。
「お母さん、きれいね。」
「うん」彼女がうなずきます。
ずっと、母の亡骸のそばで、膝を抱えて泣いていたようです。
きっと素敵な娘さんになると思います。
この子は、みんなに守られて、素敵な女性になりますよ。
あなたのように。
心の中で、そう話しかけて帰ってきました。
本当は力になりたくて、支えになりたくて出かけて行ったくせに、逆に支えてもらったような気がします。
幾度となく繰り返される別れのお手伝いを「なりわい」としている私たちですが、
決してなれることはありません。
その苦しみに寄り添いながら、またそこから救われるのも私たちなのだと感じています。