先日 当称讃寺のホームページを見て一人の中年男性が訪ねて来ました。
話を聞きますと、およそ20年位前にご尊父様を亡くし、昨年の9月にご母堂様を亡くされたそうです。ご尊父様の時はお住まいの地域に1軒だけあるお寺の住職にお願いして お葬式をしてもらったそうです。そのお寺の檀家だそうです。
昨年の9月のご母堂様の際は、菩提寺の方も老住職が亡くなっており代が替わって息子様が住職になっていたそうです。
新住職と喪主さんである訪ねて来られた中年男性とは同年代で、幼い頃からの知り合いだったそうです。
その男性は新住職の人間性が嫌で 嫌いで そんな人にご母堂様のお葬式のお経を唱えて戴く気持ちになれなかったそうです。
それで お葬式はせずに、火葬だけして ご母堂様はお骨になったんだそうです。
よほどの大決心だと思います。小さい集落では ご母堂様が亡くなったことはすぐ皆に知れることでして 当然1軒しかない菩提寺の現住職の耳にも入っているはずです。
なのに、葬式をせずに火葬だけ、とは よほど 現住職が嫌いだったのでしょう。
それで、称讃寺の住職の私に ご母堂様の法名をつけて欲しいとの事でした。もちろん 法名をつけて差し上げました。
次の機会に ご母堂様のお骨を称讃寺に持って来るから、お葬式の時に唱えるお経を読んでほしいとの事でした。その後 お墓に納骨したいそうです。もちろん そのご依頼も了解いたしました。
学校の先生と生徒、上司と部下、医者と患者、お坊さんと檀家の皆さん・・・、一人の人と人との人間関係です。左側が偉いと思うのは間違いです。みんな平等なのです。立場・役目が違うだけなのです。しかし その道のスペシャリストであるべきです。自ら威張るのではなく、客観的に 結果的に 尊敬されるような人であるべきだと 私は思います。人間関係に 信頼関係にヒビが入ると修復することは容易ではありません。ゲームの様にリセットして最初からにはならないですから・・。
折しも、オリンピック女子柔道の監督の体罰問題、監督と選手の信頼関係が損なわれたのなら 修復は難しい気がします。
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