マラリア迅速診断キット。管理人も外務省時代には非常にお世話になり、当時、医務官の友といわれていました(今もそうじゃないかな)。そんなマラリア迅速診断キットの負の側面。不必要な抗生剤処方を増やしてしまい、耐性菌問題に油を注ぐのではと。
- マラリア迅速診断キットが出来て以来、遠い村でもマラリア診断ができるようになったメリットは大きい。特に、マラリアと診断された人だけに投与できることになり。ACT(アルテメシニンをベースとする併用療法)の不必要な使用を減らすことが出来た。WHOが迅速診断キットとACTのコンビネーションを推奨していらい、迅速診断キットの使用は飛躍的に伸びた。
- しかしながら負の側面もある。迅速診断キットの導入以来、抗生剤の使用がぐっと増えてしまった。貧困国においては、すべての医療がプロによっておこなわれるわけではなく、一般商店で抗マラリア薬が取り扱われることもある。発熱した子供を抱えて遠路はるばる受診してきたときに、なんらかの「強力な」薬を出さずに帰してしまうことに心理的抵抗を感じることもある。「強力な」とは抗マラリア薬か抗生剤。(そこで、マラリアが否定されると抗生剤をということになる)。
- マラリアだけを迅速診断するのではなく、将来、細菌感染症を迅速するキットが必要なのでないか。
う~ん、かつて管理人も愛用していたマラリア迅速診断キットが、多剤耐性菌問題をややこしくしていたとはショックです。たしかに、ストーリーを示されてみれば、そういうことも有ろうかとなりますが、、、その背景となる、促成保健職が薬を扱わねば回らない問題も、スーダンやセネガルでも見てきたところであり(メンタル分野では伝統的治療師さえ、薬を供給して促成教育をして使わねばならない)、実感できるところ。メジャーな感染症それぞれの迅速診断キットを開発してゆかねばならないのでしょう。
http://www.sciencemag.org/news/2017/08/revolutionary-malaria-tests-have-unexpected-downsides
Revolutionary malaria tests have unexpected downsides