先日、兵庫の村野工業野球部へお邪魔させて戴き練習を見学させて戴きました。
村野工業野球部では、兵庫県加古川市「やね整骨院」矢根和紀院長先生、柔道復師・鍼灸師であられる尾崎修平先生のご指導の下、
今チームより「レッドコードトレーニング」と呼ばれる深層筋(インナーマッスル)を鍛えるトレーニングを取り入れられており、
今回は第二クールまでのトレーニングを見学させて戴きました。
みなさんはレッドコードトレーニングというトレーニングをご存知ですか?
名前の如く赤いロープを使って行うトレーニングで(村野工業野球部では代用のロープを使用しています)
身体のどこをどう鍛えるのか・・・やね整骨院のHPを覗いてみました。
「レッドコードトレーニング」とは‥‥
〜やね整骨院HPより抜粋~
レッドコードトレーニングとは、スリング(吊り下げ)を使って、深層筋=インナーマッスルを鍛えるトレーニングです。
まずスリング(吊り下げ)の考えは、歴史が古く第二時世界大戦前のドイツで機能回復訓練として行ったのが最初であるといわれています。
今なお理学療法の考え方の基本として他動運動から自動運動へ自動運動から抵抗運動へと伝承されています。
体幹部の骨格筋の役割 は、動作を起こすのではなく『安定させること』
体幹を安定させることで体幹に直結する下肢の筋で発揮されたパワーがより効果的に上肢へと伝達される。
動的運動に対する深層筋と表層筋の関係は、まず深層筋が働き表層筋が動きます。
以下詳しく「レッドコードトレーニング」について書かれてありますので、やね整骨院HPにてご覧下さいね。
click やね整骨院
今日は2度目のトレーニングだそうで、日々練習の中でこのトレーニングメニューも取り入れながら選手たちは身体作りをしています。
この日は次のステップ第二クールへと更にトレーニングメニュー増やし行なわれました。
レッドコードトレーニングのメニューはかなりあるようですが、村野工業野球部では数ヶ月かけて段階的に進め、
最終来年2月辺りに第6クールまでのトレーニングが出来るように指導が行なわれるそうです。
トレーニングと内容をご紹介する前に、選手へ持ってもらいたい意識について書きたいと思います。
トレーニングを始めるにあたり、矢根院長先生から「何のためにこのトレーニングをするの?」
「一つひとつのトレーニングで、どこを鍛えるためにやってるの?」
こういう意識を持ってトレーニングを行うことが大事だというお話しがありました。
普段の練習もそうですが、選手たちは色々なことに意識を持った練習をしていることだろうと思います。
与えられた練習をただ淡々とこなすのではなく「何のために?」‥‥
試合に勝つために試合を想定し練習することで、一つひとのプレイへの結果も大きく変わるのではないのかと思います。
練習のための練習ではなく、試合を想定し意識を持った練習をすることがとても大事なんだと思います。
例えば‥‥試合の中で
1アウトランナー1塁、1アウトランナー2塁、また1アウトランナー3塁
バントの場面‥‥としましょう。
選手の皆さんはどこへバントするか‥‥を頭で考えバントしようとしますよね。
普段の練習で、この試合の場面を想定しバント練習をしているはず。
この意識の練習があるからこそ、試合での色々な場面で確実にランナーを進めるバントを成功させられるのですよね。
このトレーニングも、ただ形だけのトレーニングをするのではなく、何のために?どの部分を?
という意識を持ちトレーニングに挑むことが大事だと矢根院長先生も仰られておられました。
意識をもったトレーニングを行うことで、鍛えようとする箇所が有効的に鍛えられ、そういったトレーニング、練習を重ねていく事で心身共強くなり、
バッティングや投球といったプレイにも今までとは違う力が発揮できるようになるのだと思います。
目的と目標・・・
目的と目標は違いますよね。
以前にも目的と目標の違いについて触れたことがありますが・・・「目的と目標の違い」
何のために・・・目的
じゃぁ、この目的を達成するためにどうするのか・・・目標
何事も、目的を持った目標設定をし取り組むことが大事だと思います。
村野工業野球部が取り入れている強くなるためのトレーニングを、ぜひ皆さんにも甲子園きっぷでご紹介させて戴きたく、
河野監督さん、矢根院長先生、尾崎先生の許可を戴きましてトレーニングの様子を撮影させて戴きました。
トレーニングメニューはたくさんあり、一つひとつ名称があるのですが難しくて、なかなか覚えられません。
名称等もし間違いがありましたら申し訳ありません。
各トレーニングをビデオでご紹介したいなと思い撮影させて戴きました。
トレーニング毎に身体のどの場所が鍛えられるのか‥‥
初めて観るトレーニングであり上手く説明できませんので、ビデオの中の先生方のご指導や、
グループリーダーの説明にも耳を傾けながらご覧戴けたらなと思います。
バッティング練習を並行して行っていたので、打球音で説明の声が聞き取りにくいですが、音量を最大にしてぜひお聞き下さい
まずは‥‥第1クールのトレーニングメニューです。
床には白いラインと緑のラインがありますが、白いラインは腕や足の位置をキープ確認するラインです。
緑のラインには数字が書かれてあり、各トレーニング毎に自分の身長からマイナスする数字が決まっていて、算出した数字の所に足先を置きます。
各トレーニングは30秒づつ3セット行います。
始めに「ダーツキープ」というトレーニングです。
足先の置き場は身長マイナス50㎝の場所です。
170㎝の選手は120の位置に足を置くといった具合です。
スリングに両手を掛け、腕を伸ばしたまま腰を下げないように態勢をキープします。
そして次に「プッシュアップ」
ダーツキープの体勢から腕を90度に上げます。
スリング上で腕立て伏せをする要領ですね。
これは普通の腕立て伏せは非ではないキツさですね。
選手の顔もダーツキープより赤くなってましたよ
次にダーツキープの体勢から、腕を外側、内側へ回す「ダーツサークル」です。
15秒間づつ外から内へ、内から外へ回します。
次は「フロントランジ」
足の位置は身長マイナス70㎝で行います。
スリングに片足を掛けて身体の前へ出し態勢をキープします。
次の「サイドランジ」は、身体の向きをラインと並行に立ち、スリングに片足を掛け開脚した態勢を維持します。
ピッチャーの投球ホームのような姿勢です。
これも身長マイナス70㎝の位置に足を置きます。
そして第1クール最後に「レッグカール」
仰向きに寝て両足をスリングに掛け、腰を上げると同時につま先を下げます。
ブリッジをする要領ですね。
つま先をきちんと床方向へ下げることによって、ふくはらぎと太もも裏側の筋肉が鍛えられるトレーニングです。
いかがですか?キツそうでしょ~
見ているだけで、腹筋、ふくらはぎ、太ももの筋肉が鍛えられているなぁって感じですね。
これをスポーツをしていない私の様な者がやると確実翌日には立てないくらいの筋肉痛でしょうね。
選手たちは日々のトレーニングの積み重ねの成果ですね。
バランスも上手く取れていましたよ。
バランス、軸‥‥
身体のバランスを左右対照に整えるって大事なんですよね。
バッティングやピッチングにも身体の左右のバランス、軸は大きく関わると伺ったことがあります。
トレーニングの中でも体のバランスを意識するようにと指導がありましたね。
そして新たなトレーニングメニュー第2クールへ突入です。
第2クールのメニューは更に身体の左右バランスが必要となるトレーニングです。
選手たちを見比べるとバランスが整っている選手はスリング上できちんと静止出来ているのが分かります。
各トレーニング、二人一組、または横後ろに補助を付けて行います。
補助の選手もトレーニングしている選手の足や腰の位置、姿勢などを確認しながらアドバイス、修正を促します。
第2クールは、まずダーツキープから片手づつを上げ下ろしする「シングルアップ」
下ろす際、パンチしないようゆっくり上げて下ろすを繰り返します。
そして、スリングに両足で立つ「スタンドキープ」です。
このメニューは転倒怪我の危険を避けるため、メットをかぶり、床を布団で保護します。
慣れないうちは、後ろへの転倒を避けるためにスリングの前に手を広げ姿勢をキープします。
慣れてくると手を広げなくても選手たち上手くバランスを取り立ててますね。
そしてスタンドキープから足の開脚を繰り返す「インナーサイ」です。
第2クールまでのメニューは以上で終了です。
選手たちは日々こうした練習、トレーニングを積み重ねて、目的である甲子園出場に向かってがんばっています。
普段、見れない選手たちの姿を見させて戴いて、試合で見るあの力や諦めない強い気持ちは
こういう努力の積み重ねから生まれるものだと改めて感じることができました。
矢根院長先生からこんなお言葉を戴きました。
「単にトレーニングを指導する指導者は山程いますが、社会に出ても自分の頭で考え行動できる仕組みも監督さんと考え、
新たな部訓も生まれ、組織運営型の野球部組織育成となっています。
選手一人ひとりに、各分野のリーダーや役割を与え、任命することで自らの職務が増え、自覚が芽生えてきます。
野球が上手くなり、結果を残すことも我々の任務、職務ではありますが、村野工業野球部にしかない仲間作り、
人創りの一助となれるようサポート致します。」
矢根院長先生のお言葉にもありますように、このトレーニングに於いても各チームリーダーを置き、トレーニングを進めている姿がありました。
選手たちの夢を叶えるためだけではなく、更にその先の選手たちの未来を考えてご指導されておられることに感銘を受けました。
また、トレーニングに必要な道具を提供されておられるOBの方が居られます。
選手たちがこの先にある甲子園の土を踏むことを楽しみにしていると仰られておられました。
選手たちは当たり前の中で野球をするのではなく、こうしてたくさんの応援者の下で野球ができていることを感じながらがんばって欲しいなぁと思います。
これは室内練習所に貼られていた選手たちの目標です。
役割というお話しがありましたが、この日も河野監督さんから役割を与えられ行動する選手がいましたよ。
一人、夜でも目立つ蛍光黄色Tシャツを着て練習しているのが賢弥・・・
何で一人ユニホームを着ていないのかな?と思ったのですが、河野監督さんに伺うと彼はチームムードメーカーリーダーに任命されているとか。
野球は格好から・・・
誰より目立つ練習着を着て、誰より大きな声を出しチームを引っ張ることが賢弥に与えて戴いた役割です。
誰にも負けないものを作る・・・ぜひがんばって欲しいです。
このキャラクター「ムラッコウ」は今年の村野工業野球部のマスコットキャラクターだそうです。
村工・・・ムラッコウ・・・笑ってしまいました
ムードメーカーリーダーに任命された証に河野監督さんから贈られた夜でも光るムラッコウTシャツです。
そしてもう一人、夏を終えた高橋選手。
ぜひ僕も載せて下さい!・・・とお願いされた・・・されてないのですが・・・(僕はいいです・・・と笑)
高橋選手のダーツキープを
河野監督さんからのご指名だそうで、高橋選手は毎日グラウンドに顔を出し、後輩たちの練習や試合のサポートを行っています。
学校が休みの日にも毎週グラウンドへやってきます。
現役を終えた選手が毎日後輩たちのサポートをする・・・誰にでもできることではありません。
河野監督さんから高橋選手へ与えて戴いた役割は、あなただから与えて下さった役割なのです。
ここにも何のため・・・を考えると、監督さんの高橋選手への想いを感じることができます。
高橋選手自身は、友達とも遊びたいだろうし早く帰って昼寝もしたい・・・と思っている?・・・いませんよね
思っているかもしれませんが・・・高橋選手には監督さんの想いを感じて欲しいなぁと思いますし、
この役割を与えて戴いた意味を考えながら、後輩たちのサポートをがんばって欲しいなぁと思います。
現役時代と同じように、お母さんは毎日、毎週末朝早くお弁当を作られておられるとお聞きしました。
本当にご苦労様です。
現役を終え、ようやく早朝からのお弁当作りから免れる・・・と思われておられたと思うのですが、
もしこの記事を読んで戴けたなら、河野監督さんが高橋選手へ与えられた役割の意味や、
それを全うすることの大事さを感じて戴き、本当に毎朝大変ではありますが、
ぜひ高橋選手の最大のサポート役を高校生活が終わるまで応援してあげて戴きたいなぁと思います。
最後になりましたが、快く練習見学をご承諾戴きました河野監督様、大西部長様 平田先生、前田先生ありがとうございました。
矢根院長先生、尾崎先生、突然の訪問でトレーニングのお邪魔をし申し訳ありません。
大変勉強になりました。
ありがとうございました。
今回のトレーニング見学を勧めて下さった小林様、改めてご縁に感謝致します。
ありがとうございました。
そして、村野工業野球部の選手のみなさん
これからも日々何事にも目的目標、そして意識を持った練習をし、春、そして夏には大輪の花を咲かせて下さい
応援しています
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