延長50回・・・ようやくこの対戦に終止符が打たれました。
選手のみなさん、ご父兄、ご関係者のみなさん、本当にお疲れ様でした。
素晴らしい高校球児たちと出逢えたことに感動しています。
そして、誰もが想像もしていなかった延長50回という戦いが、ホームを踏み決着が着いた事に
勝ち負けがあり複雑な気持ちはありますが本当に良かったと思います。
一昨日は球場入りする選手の表情には笑顔も見えていたけど、さすがに疲労が笑顔を消していて、
選手たちの体調を心配しながら対戦前の時間をスタンドから見守りました。
選手だけじゃなくご父兄も大変お疲れの様子が伺えました。
私はこの対戦50回の内35イニング3日間に渡り観戦させて戴きました。
その中で色々な感情が湧いていました。
延長15回 引き分けとなった時は、まさかこんな事になるとは想像もしていませんでしたので
16回からの継続試合を逆に楽しみに応援に行った自分がありました。
そして30回、またもや決着は着かず・・・また翌日の継続試合。
その頃の気持ちは選手の身体のことを心配しながらも、選手はがんばるしかない、がんばれ!と、
明日はいくらなんでも決着が着くだろう・・・と、やってみないと分からない野球なのに感覚がおかしくなってました。
驚きの45回、延長10回から続くあの緊張。
崇徳に関しては裏の攻撃なので、得点が入らない中表より特に、毎イニング観ている者にしか分からない空気というか、
1得点入れば試合終了の状況に、今まで観てきた対戦とは全く違う感覚で、ゼロが増える度投手戦を楽しめていた自分がありましたが、
終わらない戦いの中、フラフラになりながらも全力でプレイする選手の姿に心配と不安が募っていき色々な気持ちが沸き起こりました。
どちらにも勝たせてあげたいと思う一方で、決着は着くのだけど、どちらも負けて欲しくない・・・と。
更に46回からの継続試合、そしてその後すぐに決勝という信じられない状況を見て、心配と不安な気持ちにプラスして
この無謀すぎる試合日程に、誰のための野球か、規定なのかと怒りのような物が込み上げてきたのも事実です。
結果的には今日5イニングで勝敗が決まり、決勝戦も同じようなことにならないかと不安がありましたが、
素晴らしい対戦となり、選手たちにとって良い形で大会が閉幕したことは本当に良かったと思いますが、
選手の身体を一番に考えた素晴らしい大会がこれからも続いて行くように、何かが変わればと願うばかりです。
そして、両チームの選手のみなさんには、自分たちも想像したこともないだろう50回というイニングを戦い抜けたことを
自分への自信と誇りに思い、三年生のみなさんには特に良い思い出となれば良いなと思います。
また、お疲れの中、崇徳ご父兄の観客へのご接待にとても感心すると共に感謝の気持ちいっぱいになりました。
一昨日は真夏日の様な暑さ、昨日も曇り予報をよそに気温も上がってきている中で試合が行われました。
対戦中、崇徳のご父兄は観客一人ひとりに氷水で冷やしたタオルと飲み物を配られるんですよね。
スタンドの外で氷水を用意され、そのタオルの準備をされるお母さん方。
それ自体驚いたというか、これだけのタオルを昨日あれから宿舎に帰られて洗われたのか?
そして今日、私は試合が始まるといつものように写真を撮りながら没頭している中、
ちょうどビデオを撮ってた時だったんですが、それにも声が入らないよう配慮下さり、そっと私の横にタオルを置いて下さいました。
連日連戦、予想外の長期滞在となり本当にお疲れだったと思います。
観ているだけの私たち観客にまでお気遣い戴いたことに感謝です。
ご父兄のみなさんのご苦労もあったこと、ここに残させて戴きたいと思います。
ありがとうございました。
準決勝 延長46回からの観戦記・・・
延長45回を終了し、中京ヒット19 エラー1、崇徳ヒット24、エラー3
継続試合、もちろん投手は中京松井投手
崇徳石岡投手
打順は中京3番小池選手、崇徳9番百間選手からスタートです。
今日の両投手の立ち上がり、46回表中京の攻撃 石岡投手は3番小池選手、4番柴山選手を二者連続三振
5番加藤選手はサードゴロで三者凡退に。
46回裏崇徳の攻撃 松井投手の立ち上がりも良く、9番百間選手をサードフライに、1番後藤選手をセカンドゴロに、
2番弘實選手をセンターフライに捕り三者凡退。
両投手疲れを感じさせない良いスタートでした。
47回表中京の攻撃 6番松井投手が初球をサードゴロ、1死から7番斎藤選手が四球を選び
8番西山捕手が初球をきっちり送ります。2死2塁先制のチャンス!
しかし、ここは9番大島選手がサードゴロに取られ無得点。
47回裏崇徳の攻撃 3番石岡投手がセカンドライナー 後藤選手ナイスセカンド!
中京内野手は反応がとてもいいんですね~
4番沖西捕手は四球で出塁。1死1塁
5番長尾選手は送る構えでしたがヒッティングでセカンドゴロに、6番島川選手に二つ目の四球。2死1.2塁
松井投手の立ち上がりが良かっただけに、二者へ四球を出しやはり疲れが見え隠れしましたが
後続をファーストゴロに捕りサヨナラのピンチを凌ぎました。
48回表中京の攻撃
1番中上選手をレフトフライに・・・
2番後藤選手をサードゴロに捕った石岡投手でしたが・・・
3番小池選手のピッチャーゴロが送球逸れる内野安打に。2死1塁
ランナーが出る度、終わりが近付く訳ですが、昨日までのドキドキする気持ちより、
やはり負けて欲しくないの気持ちが強くて、何とも言えない気持ちになりながら観ていました。
打席には4番柴山選手、小池選手がスチールを決め2死2塁
ここで石岡投手が服装を整えるためタイムが掛かりました。
ほんの1分あるかないかのタイム・・・この間小池選手は三塁ベースを狙うイメージをしてスタートの練習をしていました。
この時間をどう使うか・・・全てはチームの勝利のため、どんな時も次を考えて準備の出来るいい選手だなと感じます。
ただ小池選手は3塁を踏むことなく、柴山選手はセカンドフライ、この回無得点に終わります。
48回裏 崇徳の攻撃 8番高瀬選手はセカンドゴロ
9番百間選手はライトフライ 2死
打順は2巡目1番後藤選手に戻り、2B1Sからライトへナイスヒット!2死1塁
しかし2番 弘實選手の打席、後藤選手2塁を狙いましたが盗塁死、西山捕手ナイス牽制でした。
49回表 5番加藤選手はセカンドゴロ
6番松井投手は初球をセカンドへ打ち返すと、弘實選手のグラブを弾き内野安打になるか・・・と思いましたが
弘實選手上手く捕り直し送球
ランナーは何としても出したくない状況、ナイスセカンドです!2死
7番斎藤選手をショートゴロに捕り三者凡退 崇徳も守備がいいです^^
いいプレイの後の笑顔がいいですね~^^
49回裏 崇徳の攻撃 ここから松井投手の凄さを感じる49.50回の2イニングとなりました。
先ほどナイスプレイで良い流れになればと思った2番弘實選手はキャッチャーフライ 1死
3番石岡投手 サードゴロ 2死
4番沖西捕手はショートゴロ 三者凡退
両チーム好守備は今日も健在、内野手は送球がとても上手いです。
中京は50回のイニングでエラーが1、崇徳には5つ付きましたが50回で・・・ですよ。
凄くないですか~
両チームの堅守が伺えますし、この連戦の中、集中力の凄さは本当に脱帽です。
そして・・・50回表 大きく試合は動き、この長い長い戦いは決着の時を迎えます。
50回中京の攻撃 8番西山捕手の打席
2Sからセカンドゴロ・・・これか内野安打となり無死1塁
9番大島選手 ピッチャーゴロ1死2塁を想像した瞬間、石岡投手はフォースアウトを狙いセカンドへ送球
この送球がセカンドを抜けセンター前に転がりオールセーフとなります。 無死1.2塁
1番中上選手の打席、1球ボールの後、2球目WP・・・ランナーはそれぞれ進み無死2.3塁
石岡投手の踏ん張り時、仲間を信じて石岡投手がんばれっていう気持ちでした・・・。
・・・しかし中上選手にストレートの四球 無死満塁
大きな大きな場面がやってきました。
打席には2番後藤選手 1球目S・・・石岡投手の踏ん張りが見えます。
2球目・・・打球はライト1塁線よりに飛び西山捕手、大島選手がホームを踏みます。
こんな大事な場面・・・前のおじさん立ち上がり帽子がぁ!!><;
2点タイムリーツーベースヒット!主将の一打が勝利を大きく引き寄せました。
遠すぎた1得点、さらに2得点がスコアボードに刻まれた時は言葉になりませんでした。
良かったという想いと、やはり50回というとてつもないイニングを守り続けてきた崇徳の選手たちを想い、
石岡投手には特に、この二つのミスが重なってしまったことに、野球の神様は本当に酷な試練を与たなと・・・
でも救いはまだ表の回、何とか後続を抑え裏の攻撃でがんばってもらいたいとそんな気持ちで次打者を迎えます。
無死2塁 3番小池選手 S・・・ピッチャーゴロ ファーストへ送球されアウト その間に中上選手が帰り1得点 3-0
そして本塁を狙う後藤選手はファースト長尾選手の好送球で本塁死となり4得点目を阻みます。
2死となりランナーは無くなります。
4番柴山選手をファーストゴロに捕り、崇徳の反撃を祈る50回の裏の攻撃となりました。
通常の試合なら5回裏、再試合ならまだ5イニングがあり3得点は奪えるチャンスがある。
でもこれは継続試合、3得点返せなければ即終了ということを忘れてはいけない。
もうこの時はがんばれ!しかなかったですね・・・
50回裏崇徳の攻撃
松井選手にはこの3得点でどれだけ気持ち楽になっただろうと思う素晴らしいピッチングを魅せてくれました。
5番長尾選手、6番島川選手を二者連続三振に。2死
7番岡本選手がレフトへ意地のナイスヒット!2死1塁
延長50回 松井投手にとって179番目の打者となった8番高瀬選手へ初球B・・・2球目S・・・
2死1B2S・・・4球目、三振で長い戦いが終わりの瞬間を迎えました。
どちらかが勝ち、どちらかが敗れる・・・
分かり切っていることだけど中京の勝利を心から喜ぶと同時に崇徳ナインには胸熱くなるものがありました。
表現おかしいかもしれないけど、でも両チームにとって得点が入って終われたということが何より良かったと思いました。
そして選手のみなさんに素晴らしい戦いを観せて戴いたことに心から拍手を贈ります。
苦しくてしんどい対戦でしたね。
本当によくがんばりましたよね。
両チームの選手のみなさん お疲れまさでした。
球場から出てきた崇徳の選手たちには笑顔も見えました。
この戦い、観ている私たちも気持ち苦しくなる対戦でしたので、彼らの笑顔が自分の気持ちを癒してくれました。
スタンドの選手のみなさんも全力な応援お疲れ様でした。
カッコ良かったですよ!
悔しい気持ちはもちろんあると思いますが、ここまでやり切ったことへの充実感と長い戦いが終わった安堵の気持ち、
色々な気持ちが混じっていたのではないでしょうか。
三年生のみなさんにとっては最後の夏、この素晴らしい戦いがこれからの力となります様に。
下ろされた崇徳旗を見て、また来夏この地に戻ってきてもらいたい・・・そう思いました。
ビデオは崇徳高校の応援です♪
広島は杓子が有名で、杓子を鳴らしながら広島らしい応援でスタンドにこだまする音色がとても綺麗で素敵な応援でした。
決勝の観戦記は改めて書きたいと思いますが、中京の選手たちは崇徳の選手の分までよく最後までがんばったと思います。
素晴らしい対戦を観せてくれた両チームの選手のみなさん また一つこの夏素敵な思い出が増えました。
ありがとう
最後に、一夜明け、テレビでもこの対戦を取り上げる番組をいくつか見ました。
もちろん二人の投手は一番身体も精神的にも大きな負担がありましたよね。
本当にしんどかったと思います。
ただ・・・野手の選手たちのがんばもなければこんな素晴らしい対戦はなかったわけで。
一人ひとりを取り上げることは難しいのだと思うのですが、あの一つづつのがんばりがどこにも出てこないことは
選手たち報われないなと思い敢えて書きます。
松井投手においてはこの準決勝709球 大会を通して1047球
石岡投手においては準決勝689球を投じたと報道で知りました。
この投球数分、ピッチャーの球を受けて返す捕手のことを忘れてはいけないですよね。
松井投手が1047球投げれば1047球西山捕手が、石岡投手が689球投げれば沖西捕手が
1047球、689球投げ返すのです。
西山捕手においては決勝戦、松井投手は4回からの継投となりましたが西山捕手はスタメンで出場しています。
先発の伊藤投手が4回まで投じた球数もプラスして受け投げているので1047球は遥かに上回っているんですよね。
ピッチャーとは肩の使い方も、負荷も軽いのかもしれなですが、これだけの長いイニングの対戦でかかる捕手の身体への負担も、
そして炎天下の中4日間戦い続けた野手の疲労も、投手だけではなく考えなければいけないことなんじゃないかなと思います。
キャッチャーが受け返すのは当たり前のことですが、彼らの身体を気遣う言葉はどこにもない。
そして野手のみんなが本当に全力な姿勢で最後まで諦めずプレイしたことを、
観戦記の中で自分が観て感じたことをここに残すことで選手たちのがんばりが報われたらという気持ちです。
そして、この両チームの選手たちのこのがんばりが、今後、選手の身体を一番に考えた運営を考えるきっかけになればいいなと思います。