隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第280作品目は、『小川の辺(ほとり)』をお送りします。
『小川の辺』は、2011年7月2日に公開された時代劇映画です。配給は、東映。上映時間は、103分。
「隊長のブログ」では、時代劇映画を、これで19作品を紹介したことになります。詳細は、こちらをご覧下さい 。
原作は、藤沢周平の短編時代小説「闇の穴」に、収録された一編『小川の辺』。
藤沢周平さん原作小説の映画化作品一覧は、こちらをご参照下さい 。
監督は、篠原哲雄。
篠原監督作品は、同じ藤沢周平原作 2008年公開 『山桜』 、
2015年公開『起終点駅 ターミナル』 と、
2016年公開の中国・日本合作映画『スイートハート・チョコレート』 の三本を、取り上げています。
脚本:長谷川康夫、飯田健三郎。
主演は、『山桜』に引き続き、東山紀之。
共演者:菊地凛子、勝地涼、片岡愛之助、尾野真千子、松原智恵子、笹野高史、西岡徳馬、藤竜也、ほか。
あらすじ:物語の始まりは、藤沢周平作品ではお馴染み、江戸時代の東北の小藩である海坂藩(うなさかはん:架空)。海坂藩士・戌井朔之助(いぬいさくのすけ)(東山紀之)は、脱藩した元藩士・佐久間森衛(片岡愛之助)を討てとの藩命を受けます。しかし、佐久間は朔之助の妹・田鶴(菊池凛子)の夫であり、かつては剣の腕を認め合った友人でもあったのでした。
朔之助の心は、揺れました。妹を斬ってでも、主命に従えと諭す父・忠左衛門(藤竜也)に、涙を流す母・以瀬(松原千恵子)。妻の幾久(尾野真千子)は、夫の身を案じながらも、気丈に振る舞います。
武家の妻として夫を守るために、兄にすら刀を抜きかねない田鶴の勝気な性格を知りながらも、家を守るため、武士としての道理を守るため、朔之助は主命に従い佐久間を討つ旅に出ることを、決意します。。。
感想:まさに、藤沢周平作品の真骨頂である、義と情の狭間で揺れる武士を見事に描いた作品です。それと、近年公開されることの多い、コメディタッチの時代劇とは異なり、時代劇らしい時代劇とも言えるでしょう。
実績のある監督・脚本家を始めとするスタッフに、ベテランから若手まで実力派の出演者たち、見応えがありました。
海坂藩から、佐久間を追い詰めた行徳までのロードムービーとしても、楽しめます。
朔之助が佐久間の居所を見つけ出したのが、行徳の “小川の辺り” の隠れ家。ここから、題名が『小川の辺』と名付けられたのですね。
その “小川の辺り” での果し合い。それまで、東山紀之さんと片岡愛之助さんの抑えていた演技が、殺陣(たて)の時には、観ている者も殺意を感じる程にヒートアップします。
殺陣や所作の一つ一つが、美しく映ります。夫を殺され兄に刃物を向ける、菊地凛子の立ち回りも様(さま)になっていました。
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Film1~265 省略
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