映画 Film187 『時をかける少女（昭和58年)』

2020年08月05日 | 映画

隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第187作品目は、『時をかける少女（昭和58年)』をお送りします。

『時をかける少女（昭和58年)』は、昭和58年 (1983) 7月16日に公開された日本映画。製作：角川春樹。配給：東映。上映時間：104分。

原作は、筒井康隆の同名の小説。この不朽の青春物語は、これまでに何度も映画・テレビドラマ・アニメ・舞台化されて来ているので、タイトルを『時をかける少女（昭和58年)』としました。

「隊長のブログ」では、黒島結菜主演の 2016年7月期ドラマ版を、取り上げています。

今年、85歳になる筒井康隆さん、最近では「通販生活」のCMでお茶の間に登場していますよね。

監督は、今年四月に亡くなられた大林宣彦。この作品は、大林宣彦監督の出身地を舞台にした「尾道三部作」の第二作です。

脚本：剣持亘（けんもつわたる）。

主演は、本作が映画デビュー作品となる原田知世。

尚、原田知世さんが出演する作品を、これで五本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご参照下さい。

共演者：高柳良一、尾美としのり、岸部一徳、根岸季衣、内藤誠、入江若葉、上原謙、入江たか子、ほか。

あらすじ：土曜日の放課後。高校二年生の芳山和子（原田知世）は、誰もいないはずの理科実験室で怪しい物音を聴きます。中に入るとフラスコが倒れ、ラベンダーの香りが広がり、和子はそこで気を失ってしまいました。

和子は、その日から奇妙なデジャ・ビュに悩まされ始めます。授業も、地震や火事も、和子が前の日に経験したことばかり。言い知れぬ不安に震える彼女を優しく支える深町一夫（高柳良一）。彼は、未来から来たタイムトラベラーでした。。。

感想：公開当時、主人公の年齢と同じ16歳の原田知世さん。初々しく透明感ある姿が印象的です。まさに彼女のための映画と言えるでしょう。原田知世さんは、今でもマルチに活躍していますが、そのポテンシャルを見抜いた角川春樹さんの眼力は、さすがですね。

ただ、ラストシーンで、成人した和子が再び未来からやって来た一夫と再会しながら、お互いに気付かぬままでエンディングになった後。映画の余韻に浸りたい所ですが、理科実験室で倒れていた和子役の原田知世が急に立ち上がり、自身のヒット曲で主題歌の「時をかける少女」（作詞・作曲：松任谷由実）を、映画のシーンをバックに、歌い出したのは、少し興醒めしました。

MV作品であれば、これでも良いのですが、本編終了直後に流すのは、どうでしょうか。

原田知世さん以外の出演者では、同級生・堀川吾郎役の尾美としのりが、いい味を出しています。個性派俳優として欠かせぬ尾美としのりさん、18歳だった当時からその片鱗を見せています。

それと、交通事故で死んだ本物の一夫の祖父母役の上原謙さんと入江たか子さん。息子夫婦と孫を亡くした悲哀感が漂う演技、さすがでした。

物語の舞台、ロケ地の広島県尾道市の映像も、どこか郷愁を誘われます。

原作の小説が発表されたのは、55年前になります。植物のない未来から、植物成分が必要になり、タイムトラベラーがやって来るストーリー。既に現代の環境問題を先取りしていた感があります。

最後になりますが、この映画が公開されてから37年が経ちました。大林宣彦さん以外にも、多くのスタッフ・キャストが、既に鬼籍に入られています；

剣持亘、上原謙、入江たか子、ほか (敬称略)。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

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元商社マン。趣味：ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞（新舞踊）、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。