隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

映画 Film284 『動乱』

2025年02月25日 | 映画

隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第284作品目は、『動乱』をお送りします。

 

 


『動乱』は、 昭和55年(1980)1月19日に公開された日本映画。配給会社:東映。上映時間:150分(第一部「海峡を渡る愛」、第二部「雪降り止まず」の2部構成)。


本作品では、昭和史の起点となった五・一五事件から二・二六事件までの風雲急を告げる動乱の中、寡黙な青年将校とその妻の愛と生きざまを、描いています。


脚本:山田信夫。


監督は、森谷司郎(もりたに しろう)。


音楽:三枝成彰。


主演は、初共演となる、高倉健と吉永小百合。


尚、「隊長のブログ」では、高倉健さんに関する記事を、これで29本を紹介したことになります。詳細は、ちらを覧下さい  。


吉永小百合さんが出演する作品・番組は、これで18本を取り上げたことになります。詳細は、ちらをご参照下さい  。


共演者:田村高廣、志村喬(たかし)、米倉斉加年(まさかね)、桜田淳子、永島敏行、にしきのあきら、小林稔侍、佐藤慶、田中邦衛、ほか。


ナレーションは、佐藤慶(広津美次役と兼任)。

 

あらすじ:【第一部・海峡を渡る愛】物語の始まりは、昭和七年(1932)4月の仙台連隊。宮城啓介大尉(高倉健)が隊長を務める中隊の初年兵・溝口英雄(永島敏行)が、脱走しました。溝口の姉・薫(吉永小百合)が、生活苦のため千円で、女郎屋に売られようとしていたからです。


溝口は捜索隊の上官・原田軍曹(小林稔侍)を殺してしまい、銃殺刑に処せられます。宮城は父・広介(志村喬)に用立ててもらった千円を、香典として薫に手渡しますが。


その後、五・一五事件が発生し、陸軍内部の皇道派と統制派の対立が激化する中、宮城は部下から脱走兵を出した責任を問われ、朝鮮の国境守備隊へ異動を命じられます。そこで彼は、芸者になった薫と偶然にも再会し、彼女を引き取ります。


吹雪の日、匪賊との小競り合いで部下から、敵が撃ってきた銃弾が日本製だと訴えます。日本軍が兵器の横流しを行っていたのでした。愕然としている啓介の元へ、賊軍がまた攻めてきて弾丸が尽きた部隊は、剣で突撃をかけ、多くの戦死者を出してしまいました。啓介は、軍上層部に対する不信感と怒りで、肩を震わせるのでした。


【第二部・雪降り止まず】二人は日本に戻り、啓介は自分の家に薫を住まわせます。家には皇道派の青年将校が訪ねてきては軍の腐敗を愚痴り、向かいには憲兵曹長の島(米倉斉加年)が、絶えず見張りをしていました。


啓介は薫を鳥取旅行に連れて行きますが、薫は過去に相手をした将校に出会い、彼女は羞恥の目に曝されながら旅行を終えたのでした。


ある日、薫は上司に当たる皇道派の神崎の妻が双子の息子との幸せな光景を見て、未だ籍を入れる所か抱こうともしない啓介に、自分の体は汚れているから抱けないのかと訴えるのでした。


青年将校たちの不満は募る一方、昭和11年(1936)2月26日、ついに啓介達・皇道派は決起に向かって行きましたが。。。

 

感想:二人とも好きな俳優の、高倉健さんと吉永小百合さんの初共演映画。それに、戦前の歴史的クーデター事件である五・一五事件と二・二六事件を扱っているとの事で、興味深く鑑賞しました。


しかし、第1部第2部合わせて、2時間30分と言う長い放映時間で、テーマが時代に翻弄される男と女の悲哀物語なのか、腐敗した政府に対して死をもって決起した青年将校たちの悲劇なのか、どっちつかずになってしまった印象です。


それに、どこまでが史実なのか、どこまでが創作なのか、困惑する場面もありました。それに、啓介のようなあんなにも、部下思いの上官現実には存在したとは、思えません。

 

また、啓介をはじめとする皇道派の青年将校たちを、余りにも美化しているのが、気になります。皇道派を善、統制派を悪として描き、勧善懲悪の物語にしたかったのでしょうか。


一番ショックだったのは、クーデターに失敗した将校たちが、銃殺刑に処されるシーン。掘られた穴に目隠しして座らされた彼らが、巻かされた鉢巻の真ん中には●が。この●を標的に、一斉射撃がされるラストシーンでした。


主演のお二人、撮影時には、売れっ子ゆえ、年間何本もの出演作があったにも関わらず、演技に対する集中力は、さすがだと思います。


特に、吉永小百合さんに取っては、初の “汚れ役” を、体当たりで演じていました。


豪華な共演陣ですが、特に注目して観ていたのは、小松少尉を演じた田中邦衛さん。共演回数が多い高倉健さんと絡むシーンには、二人の信頼関係が、垣間見られました。

 

 

最後になりますが、この映画が公開されてから45年が経ちました。多くのスタッフ・出演者が、既に鬼籍に入られています;


山田信夫、森谷司郎、高倉健、田村高廣、志村喬、佐藤慶、田中邦衛、など(敬称略)。


亡くなられた皆さんのご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

 

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