The wild flowers of Portugal. ポルトガルの野の花 

学名など判ったものだけ明記しています。和名などをご存知の方はどうか教えてください。

ケリドニウム・マジュス Chelidonium majus

2021-10-27 10:42:27 | ポルトガルの野の花

ケシ科、Papaveraceae、クサノオウ属、ヨーロッパ、北アフリカ原産、

学名:Chelidonium majus、

和名:クサノオウ(草の黄、痩(くさ)の王、草の王)、

英名:Greater Celandine、Tetterwort、Nipplewort、Swallowwort、Celandine poppy、

葡名:Quelidónia-maior、Erva-andrinha、Celidónia、Cerdronha、Cerudia、Erva-das-verrugas、Leitaria、Quelodónia、Caredona、Ceruda、

2015年6月13日、2017年5月23日、ポルトガル、ベイラ地方で撮影、

 

ケリドニウム・マジュス Chelidonium majus の花。表示名は学名の音読み。野原や林縁に自生し、前年の秋に散布された種子はすぐに発芽して根出葉から成るロゼットを形成し越冬する。春になると中空の茎を直立させ草丈40-80cm程度までに育つ。

 

葉は1-2回程度で深裂し、羽状複葉となって30cmまでに伸びる。

 

花は直径2cm程度の鮮やかな黄色の四弁花で、稀に八重咲きの株がある。5月から7月までの長期間にわたって咲いた後に、長さ3-4cmの莢が上を向いて実る。莢中にある半球形の種子は黒く、種枕(エライオソーム)が付着しており、これに惹かれたアリにより散布される。

 

植物体を傷つけると多種にわたる有毒アルカロイド成分を含む黄色い乳液を流し、これが皮膚に触れると炎症を起す。皮膚の弱い人は植物体そのものも触れるとかぶれる危険がある。

 

古くから主に民間療法において薬草として使用されてきた歴史がある。漢方ではつぼみの頃に刈り取った地上部を乾燥させたものを白屈菜と称し、特にいぼ取りや、水虫、インキンタムシといった皮膚疾患、外傷の手当てに対して使用された。また煎じて服用すると消炎性鎮痛剤として作用し胃病など内臓疾患に対して効果がある、ともされている。ケリドニウム・マジュス Chelidonium majus でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、一説には丹毒瘡に効用があるため瘡(くさ)の王からの転訛とも。また、別には、草が黄色の汁を出すからとも言われている。属名はギリシャ語の chelidon(=ツバメ)に由来している。アリストテレスの命名と言われているが、母ツバメがこの植物の汁でひな鳥の目を洗い視力を強めるという言い伝えに因んでいるという。種小名は「より大きい」の意。

クサノオウ(ヨーロッパ種)は、ケシ科の二年草である。本種は、我が国に自生の見られるクサノオウ(Chelidonium majus ver asiatica)種に対して分類上は母種となる。草丈は30~80㎝程度となる。茎は軟弱で基部では白色を帯びる。枝や葉が傷つくと横橙色の液体が出る。根出葉は頭大羽状葉でロゼットを作る。茎葉は、最大で35㎝程度となり、羽状に5~9裂し、各裂片は更に浅裂する。葉には長さ2~10㎝の葉柄が伴い茎に互生する。茎や葉柄には白色の長細毛が密生する。5~6月頃、茎頂に散形花序を出し、径2㎝程度で黄色の4弁花をつける。花後には、長さ2~5㎝程度で棒状の蒴果をつける。我が国に自生するクサノオウは花粉が不燃性である場合が多く、結実率が引くが、本種の場合、ほぼ100パーセントの結実率となる。有毒植物(全草)(GKZ植物事典より)

 

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