えつこのマンマダイアリー

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何のため? 誰のため? ~秘密保護法~

2013年10月10日 | 雑記

 東京オリンピック招致が決定する直前、私はこの記事の中で、日本の立ち位置についてこう表現しました:「福島の原発事故の処理も、被災者の救援や復興も未だできないでいるのに、原発輸出やオリンピック招致活動に躍起になっているような国」「国民は二の次三の次のような国」と。
 また、こうもつぶやきました:「こんな“勘違い国家”あるいは“厚顔無恥政権”“確信犯政府”の下でオリンピックが開催できるほど、国際社会の目は甘くはないと私は思います(^_^;」と。

 その後、北米旅行の経由地の空港で招致決定のニュースを知って唖然としたものの、信号一つない大自然の中の国立公園内でテレビやネットから隔絶された1週間を過ごしたため、決定直後の日本での五輪フィーバーぶりがどのようなものだったのか、今でも知らずにおります。ただ、五輪開催に賛成でない人が「非国民」呼ばわり、「逆賊」扱いされる向きがネットなどであることを知り、「じゃぁ、私は非国民だわ」と思ったものです。
 とは言え、招致活動に“純粋な情熱”を持って努力し、臨み、成果を出された方々には心から敬意を表しますし、努力を讃えたいと思います。また、2020年に向けて新たに夢や目標を立て、これから情熱と努力を傾けようとしている若者に、心からの応援を惜しみません。
 さらに、招致が決まってから、福島の原発事故処理に国が責任を持つと、とってつけたように宣言したり、現地視察に入ったりした安倍首相のパフォーマンス紛いの様子を見て思ったことは、招致が決まらなかったら責任を持たなかったのだろうかということ...。そう考えると、その意味では招致が決まってよかったのかもしれないとの思いもよぎります。

 ただ、気がかりなのは、五輪開催準備のドサクサや国民の熱狂に紛れ、権力者に有利=国民に不利になるような各種法案が国会で通ったりすることです。
 その代表例&喫緊の法案が、現在政府が制定を目論んでいる「特定秘密保護法案」です。先月公募されたこの法案に関するパブリックコメントは9万件以上寄せられ、その8割近くが反対意見だったようですが、これも原発に関するかつてのパブコメと同様、ただの政府のアリバイ作りとして葬られるのでしょうか? それを許してよいのでしょうか? 

 2013年10月8日付の東京新聞朝刊では、これに関して「こちら特報部」欄で次のような記事が組まれました。
   見出し 「軽微な件で検挙の恐れ 規制の対象は『国民』」
   サブタイトル 「秘密保護法の真の狙いは?」「戦中の軍機保護法に酷似」
 冒頭の概要部分を引用します:
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 臨時国会が15日から始まる。焦点のひとつは特定秘密保護法案の行方だ。防衛省では2006年の通達で、職員たちに部外者との接触について報告を課した。他官庁でも情報管理が進む。にもかかわらず、この法案は何を狙うのか。戦前、「軍機保護法」という法律があった。機密保護を名目に、国民の日常生活を統制した。「秘密保護法は軍機保護法の復活」という指摘も出ている。
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 また、この法案に関して日本弁護士連合会が作成したQ&A集こちらで見られます。この法律の制定が一般市民の生活にどのように影響することになるのか、とてもわかりやすく解説されています。まだご覧になっていない方は、ぜひご一読ください。

 後日追記(2013.10.17): 臨時国会に先立ち、山本太郎参議院議員がこの法案の危険性と法案通過の阻止方法を全国を回って訴えてきたことが、このブログ記事に記載されています。自分の地元の国会議員に、「秘密保全法に賛成したら次の選挙では投票しない」旨のファックスやメールを送りつけることでプレッシャーをかけるよう、国民に呼びかけてきたそうです。何もしないよりはいいかもしれません。

 

 いつも長くなってごめんなさい。
 最後に、2編の新聞記事を引用します。東京新聞朝刊の「本音のコラム」欄への投稿記事です。

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「誰のための政治か」  2013年9月24日付 鎌田 慧(さとし)氏(ルポライター)

 まるでガマンくらべのようだな、と思うのは私だけだろうか。どんなに痛めつけられても、じっとガマンの子では、つぎの世代にあきれられる。
 企業減税が検討されている。その代わりのように、来年4月からいよいよ消費税が8%に増税される。バラまきと批判された「復興増税」は撤廃されるが、法人税への上乗せ分だけで、われわれの所得税はそのままだ。

 大企業への露骨な優遇策を受けて、米倉弘昌経団連会長は早速「官に取られるより企業に残る部分が多くなる」と支持した。「企業に残った部分(利益)」が社員に還元されるというが、それはほんの一部だけだ。
 財界人らでつくる政府の「産業競争力会議」は、労働時間規制の適用除外(ホワイトカラー・エグゼンプション)や非正規労働者のなけなしの保護政策(5年働けば、無期契約にする)を廃止しようとしている。ほかにも解雇自由の「限定正社員」制度とか、とにかく戦後の労働者保護政策の破壊に腐心している。

 さらに、企業の農地保有の緩和(小作制度の復活)、大企業の漁業権の取得、国民総背番号制度の導入、秘密保護法案の準備など、安倍首相の取り戻したい「日本」とは、戦時中の人権と言論の自由が剥奪(はくだつ)されていた時代への回帰でしかない。
 抑圧、束縛、収奪の暗黒政治と国際的な孤立をわたしたちは望んできたのか。

  (注:読みやすいように、ブログ管理人が適宜段落に分けて改行しました)

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「言葉の力」  2013年10月6日付 山口 二郎氏(北海道大学教授)

 やらずぶったくりの消費増税が法人減税とセットになり、生活保護削減、解雇自由化の特区創設など、成長の名の下に人間生活を犠牲にする政策が矢継ぎ早に打ち出されている。他方、福島第一原発の汚染水は制御不能状態である。国民と国際社会に対して、為政者のうそがまかり通っている。批判の言葉を並べることに疲労感を覚える。

 しかし、メキシコの詩人ハビエル・シシリア氏のインタビューを読んで、そんなぜいたくを言ってはいけないと自戒した。氏は組織犯罪が横行するメキシコで息子を殺され、正義と尊厳を回復する運動を起こした。彼は、息子の葬儀で「この世界はもう言葉の世界ではない」で始まる詩を作って以来、詩作は断念している。

 日本も、「言葉の世界」ではなくなりつつある。国民は為政者がうそをついていることを知っているが、うそを許している。為政者に国民の言葉は通じなくなった。しかし、言葉を発することに対する暴力的な弾圧が横行する状態では、まだない。
 単に言葉を唱えるだけではなく、脱原発デモや小平市の住民投票のように動く必要があるという意味では、言葉の世界に安住していられない時代である。同時に、行動に託した思いを他者に少しでも伝えるための言葉を磨く努力をやめてはならない。沈黙するにはまだ早い。

  (注:読みやすいように、ブログ管理人が適宜段落に分けて改行しました)

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2 コメント

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スマートフォン社会 (コロ_mori)
2013-10-11 08:24:49
よくはわかりませんが、今の日本の政治はスマートホォン社会ではないでしょうか。必要のないゲームや動画、新聞よりはるかに遅い情報しかなく、画素だけ多いカメラつき。使わなければ時代おくれ、支払いが滞れば住宅ローンが組めなくなるらしい。などがスマホだと思います。健康も含めた生活がアンダーcontrolである現状はお金をばらまいたがために、IMFから消費税をあげるのは当然と言われたことによく表れていると思います。重症と軽症をみわけられなくなったドクターに今の日本は似ているように思います。安部総理はアンダーcontrolの人だと思います。科学を作ったヨーロッパ人はスマホなどアジアにやらせとけと言っているような気がしてなりません。
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コロ_moriさんへ:なるほど... (takuetsu@管理人)
2013-10-11 19:44:49
コロ_moriさん、この類の記事にいつもコメントを入れてくださり、ありがとうございますm(__)m 
そして、コメントの管理法を変えた(私が公開を承認するまで公開されません)ので、お手数をおかけしたようです。ごめんなさいね。

今の政治体制をスマホに例えるとは...まだ使ったことのない私にはできない発想です。拝読すると、なるほど...と思いますが。

とにかく、現政権の確信犯ぶりや、国民を犠牲にすることしか考えていない様子を見ていると、悲観的になるばかりです。一国民として何をしたらよいのか...日々悩みつつ、とりあえず記事を引用しています(^_^;
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