23.
このように、自分の体をもってして、しかも紆余曲折を経て、女性ホルモンがいかに女性の体の機能を支えているかを私は思い知った。なかんずく、女性ホルモンが自律神経に深く関わり、さらに免疫力を支えていることも、もう少し後で知った。自律神経自体が体のあらゆる機能を司っていることを考えると、女性ホルモンが女性の体を根本的に支えていることがよくわかる。
閉経期を過ぎると、女性の高脂血症、高血糖、高血圧が急激に増え、心臓病の発症率は男性のそれに匹敵するといわれている。くだんのアンケートの中で、ホルモン療法の副作用として「体重が増えた」という選択肢があったことからもわかるように、女性ホルモンが脂肪の代謝にも大いに関わっているからだ。このことからも、女性ホルモンの重要性と、閉経を境に女性ホルモンが一気に減少することが明らかだろう。
子孫を残すために、種を保存するために、その機能がある間は女性の体がいかに保護されているか…ところが、一旦その機能を失うと、「用済み!」とばかりに一気に突き放されることを、私は身をもって体験したのだ。動物や魚や虫の中には、子孫を残す役目を終えた途端に雌が命を全うする種類が少なくないことを考えると、人間も程度の差はあれ似たり寄ったりなのかもしれない。人間も単なる動物の一種、女はやはり雌なのだと痛感した。なんだか悔しいようだが、それが種を残す性として課せられた宿命、非情の宿命なのかもしれないとも思う。
また、自然の経過で女性ホルモンが減ることによってでさえこれだけの変化が起き、いわゆる更年期障害として取り沙汰されるほどなのだから、人為的にホルモンを減らしている我々患者の体内では、より劇的に変化が起こってあたりまえだろう。人為的に更年期障害を起こしているのと同じだからだ。ましてや、私は最初の数ヶ月2種類の治療を併用してホルモンを抑えたのだ。今から考えれば、混乱も起こってしかるべしだったのかもしれない。それによる不快感や不調を我慢しなければならない道理はないと思うし、「仕方ない」などという軽い言葉で片づけてほしくはない。
とにかく、女性ホルモンの偉大さを思い知ったと同時に、今まであまりに女性の体、自分自身の体について自分が無知でもあり無頓着でもあったことに気づき、私は深く恥じたのだった。
このように、自分の体をもってして、しかも紆余曲折を経て、女性ホルモンがいかに女性の体の機能を支えているかを私は思い知った。なかんずく、女性ホルモンが自律神経に深く関わり、さらに免疫力を支えていることも、もう少し後で知った。自律神経自体が体のあらゆる機能を司っていることを考えると、女性ホルモンが女性の体を根本的に支えていることがよくわかる。
閉経期を過ぎると、女性の高脂血症、高血糖、高血圧が急激に増え、心臓病の発症率は男性のそれに匹敵するといわれている。くだんのアンケートの中で、ホルモン療法の副作用として「体重が増えた」という選択肢があったことからもわかるように、女性ホルモンが脂肪の代謝にも大いに関わっているからだ。このことからも、女性ホルモンの重要性と、閉経を境に女性ホルモンが一気に減少することが明らかだろう。
子孫を残すために、種を保存するために、その機能がある間は女性の体がいかに保護されているか…ところが、一旦その機能を失うと、「用済み!」とばかりに一気に突き放されることを、私は身をもって体験したのだ。動物や魚や虫の中には、子孫を残す役目を終えた途端に雌が命を全うする種類が少なくないことを考えると、人間も程度の差はあれ似たり寄ったりなのかもしれない。人間も単なる動物の一種、女はやはり雌なのだと痛感した。なんだか悔しいようだが、それが種を残す性として課せられた宿命、非情の宿命なのかもしれないとも思う。
また、自然の経過で女性ホルモンが減ることによってでさえこれだけの変化が起き、いわゆる更年期障害として取り沙汰されるほどなのだから、人為的にホルモンを減らしている我々患者の体内では、より劇的に変化が起こってあたりまえだろう。人為的に更年期障害を起こしているのと同じだからだ。ましてや、私は最初の数ヶ月2種類の治療を併用してホルモンを抑えたのだ。今から考えれば、混乱も起こってしかるべしだったのかもしれない。それによる不快感や不調を我慢しなければならない道理はないと思うし、「仕方ない」などという軽い言葉で片づけてほしくはない。
とにかく、女性ホルモンの偉大さを思い知ったと同時に、今まであまりに女性の体、自分自身の体について自分が無知でもあり無頓着でもあったことに気づき、私は深く恥じたのだった。
生物の場合その体の仕組みや行動は、生存競争でいかに勝ち残るか、自己の種をいかに保存するかに関わっていることが多いのではないかと思います。
ご指摘の内容はnegativeな面で自身にとってはうれしいことではないですが...
自分の体の生理機能を見ても、また戦争する人間の闘争本能を見ても、人間が動物であることがよくわかりますねぇ。
ただ他の動物と違うことは、ふだんはそれを理性で制御していること...制御が利かなくなると、武器を持つ分、人間は最も凶暴な動物と化してしまうのでしょうね。
また、不規則な生活やストレスによって自律神経が乱れ、体調のバランスを崩しやすいのも、人間の特徴かもしれませんね。これも、理性や意思で制御可能な部分と不可能な部分とがありますね。