ケイシロウとトークアバウト

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寿司桶が飛んだ

2024-03-01 22:32:00 | 日記



とある評判の良い回転寿司のお店があった。
腕のほどはわからないが、
一応職人に握らせたものを、
安価で提供していた。

この回転寿司の近くに、
老舗の本格寿司屋があったが、
回転寿司の方に、
客を取られまくり、
廃業することになった。

回転寿司の店長は、
大の寿司マニアやったので、
安価で美味しい寿司をどうお客に提供するか🤔ということが、
いつもの関心ごとやった。

そんな時に、
回転寿司の本社から、
寿司ロボットの開発チームと称する四人のエンジニアたちが、
遣わされた。
(その中のひとりがカイジという名の俺の知り合いや)
店長は、
「時代も変わるもんだね。けど、人間が握った方がいいよ」と呟くが、
本社の命令は厳しかった。

ある日、
店長はエンジニアたちを連れて、
廃業する寿司屋に挨拶に行った。
その際店長は寿司屋に、
「君とは高校時代、陸上で円盤投げを競いあったっけ。君には優勝🏆をもっていかれて僕が準優勝だったね」と言うと、
寿司屋は、
「円盤投げでも寿司でもお前には負けん!」と語気荒く答えた。
店長はくすくす🤭と、
「おかしなこと言うね。現に君、寿司の売り上げでは僕んとこに負けたじゃないかね」と言うと、
寿司屋は、
「寿司ロボットとか入れやがって!今にお前ら、ひどい目に合わせてやる!!」と更に語気を荒くした。
店長は更にくすくす🤭と、
「すまないねえ!代々続いた店を潰して。けど、時代がこうしたのさ。このエンジニアの先生方がいなければ、まだ人さまの手の触れた寿司を提供するんだけどね」と言うと、
寿司屋はエンジニアたちを睨み、
「あんたらの仕打ち、忘れへん😠」と吐き捨てた!

その夜、
エンジニアのひとりが、
居酒屋から出て来ると、
頭に衝撃を感じ、
痛さの為に、
地に膝を着いた。
見ると、
デカい寿司桶やった。
ナニ者かが、
寿司桶を背後から投げつけて、
逃亡したんやった。

翌日の夜。
別のエンジニアが、
映画館から出て、
大きなあくび🥱をしていた時、
後頭部に衝撃🫨を感じた。
そして、
痛さのあまり、
地に膝を着いた。
見ると、
これもデカい寿司桶やった。

更に翌日の夜。
出歩きたくないのを無理矢理外に出た別のエンジニアは、
寂しがり屋のカノジョと呪いながら会って、
帰ろうとした。
その際、
前後左右あちこちを見回しながら歩き、
どこから寿司桶が飛んでくるかとびくびくしていた。
が、
とあるビルの前を通りかかっていた時に、
真上から寿司桶が落下してきて、
エンジニアの頭のてっぺんを直撃した。
エンジニアは、
痛さのあまり地に膝を着いた。

こうした怪事が続いた為にカイジは、
最後のエンジニアとしての自分が狙われると、
俺に相談を持ちかけた。
俺は、
巻き込まれて、
寿司桶を頭に喰らいたくなかったから、
寿司桶をエンジニアたちに投げつけた犯人を探してやろうと、
自称名探偵の道頓堀川痴歩(どうとんぼりがわちほ)に連絡を取った。
道頓堀川痴歩は、
すぐに現場に駆けつけてくれたらしい。

回転寿司の店では、
店長と四人のエンジニアたちが、
道頓堀川痴歩にいろいろと説明した。
特にカイジは、
「道頓堀川先生、僕が今度は狙われます」と悲しげに言った。
被害に遭ったエンジニアたちは、
「犯人はあの廃業する寿司屋ですよ。私たちの仕打ちを忘れないという言葉を浴びせたんですから」と言った。

しばらくして、
寿司屋と、
道頓堀川痴歩が呼んだ寿司職人の握り一平がやって来た。
寿司屋は必死に、
「確かに頭に来て暴言を吐きました。けど、私ではありません!私がエンジニア先生方のその日の予定とか知るはずがないじゃございませんか⁉️」と必死に言い訳した。
道頓堀川痴歩は、
被害者に当てられた寿司桶を持って来て、
握り一平に見せた。
寿司桶は全部新品やった。
握り一平は、
「ワッチら寿司職人は、どんなことがあろうとも、寿司桶なんぞ投げやいたしやせん!寿司桶こそ、寿司を安置してお客様にお届ける神聖なものです!」と言った。
カイジは馬鹿にしたように、
「じゃあ、寿司を安置する意識のない奴はアンチなんだな⁉️回転寿司に客を取られた腹いせだろ😡」と厳しく言い放った。
別のエンジニアも、
「お寿司屋さんは、昔の円盤投げの技術を応用して寿司桶を投げたんでしょう🤬」と更に厳しく言った!
寿司屋は、
「私ではない❗️」と強く否定した。

道頓堀川痴歩は店長に、
「普通、廃業するはずの寿司屋が真新しい寿司桶を被害者に投げつけるでしょうか?」と問い、
すぐに、
「回転寿司には寿司桶の意義など稀薄な印象が見受けられます」と続けた。
店長は首を傾げて、
「私にはわかりませんね」と答えると、
道頓堀川痴歩は、
「そろそろ白状されたらどうですか?犯人さん」と静かに言った。
一瞬、
場が凍りついたと言う!

道頓堀川痴歩は、
「あなたが一番、エンジニアさん方のスケジュールを知っておられるんですよ」と言い、
すぐに、
「寿司桶でしくじりましたね。あなたが寿司桶を円盤投げの要領で、エンジニアさん方に投げつけたんでしょう?」と言った。
なおも押し黙る店長に、
道頓堀川痴歩は、
「最近、この地域で寿司桶を3つも買った人を調べれば、結論は私の言葉と一致しますよ」と言った。

店長は、
一同を見回しながら、
「確かに寿司桶に対しての私の知識は乏しいものです。が、寿司はロボットではなく人が握ることくらいはわかります!」と言い放った。
カイジが、
「店長。ナンでわれわれを寿司桶で狙ったんですか?」と尋ねると、
店長は、
「寿司桶をお前たちの頭に投げつけて、その衝撃で、寿司ロボットの記憶を消そうとしたのだ!」と言った。

エンジニアたちは戦慄する以前に呆れた😳
いくら円盤投げの技術があったとしても、
寿司桶で、
そこまで出来るんやろか🤔
店長は言った。
「私は回転寿司を辞めて、お寿司屋さんのもとで働き、その給与で、あなた方に賠償いたしましょう」と言った。
エンジニアたちも、
警察にいちいち、
寿司桶を頭に投げつけられました!と言うよりは、
多少なりの賠償金をもらった方が得策だと考えた。
店長は寿司屋の手を握り、
「廃業を取りやめにしてください。かつて円盤投げで競ったあなたと一緒に、また時代を相手に競おうじゃございませんか⁉️」と、
強く言うと、
寿司屋も、
「ああ❗️あんたと巻き返しや❗️回転寿司には悪いけど」と強く応答した。
握り一平はうれしそうに、
「いい日じゃございませんか⁉️どうかワッチにみなさんに寿司を握らせておくんなさい!」と言い、
握り一平の極上の寿司を一同は食したと言う。

その後、
老舗の寿司屋は店長と組んで巻き返し、
繁盛に次ぐ繁盛となり、
回転寿司は、
寿司ロボットの受けが悪く、
客足が減った。
また、
かつての回転寿司の寿司職人は、
この老舗寿司屋のもとで更に腕を磨くことになり、
多くの顧客を喜ばせた。

この出来事をカイジに聞かされつつ、
また、
いつもの言葉か、
俺の心に響き渡る。
「道頓堀川痴歩(どうとんぼりがわちほ)。また、この男に救われた!」