今から11年前の記録的猛暑の夏の出来事。
その日、
アパート暮らしを始めたばかりのヨウイチは、
あまりの暑さに、
エアコン設定を1度にしようかどうしようか、
悩んでいた。
そこに、
高校時代のダチであるマサキが遊びに来た。
マサキは、
特撮マニアで、
マーベルやDC以上に、
円谷や東映特撮のレベルの高さを、
常々、
訴えていた。
この日、
マサキが、
数年間も、
ウルトラヒーローショーの着ぐるみバイトをしていたことを話した後、
アトラクション会社が、
ごひいきの商店街での興行を、
商店街側の資金難から、
取り止めにすることを決めたことを話した。
ところが、
商店街振興組合の代表のオヤジがガチギレして、
商店街だけで興行することとして、
中古のウルトラマンと怪獣のアトラクスーツ(着ぐるみ)をいくつか購入した。
それで、
アトラクション会社とは、
著作権料についての話し合いを経て、
ここに、
商店街主催のヒーローショーが開催されることになった。
マサキは、
商店街振興組合代表のオヤジに泣きつかれて、
ヒーローショーに参加することになった。
元々、
雇い主のアトラクション会社のブラック対応にも腹を立てていたらしい。
そして、
商店街のオヤジの呼び掛けに、
演劇団の新人とか、
特撮マニアとか、
アトラクション会社の元社員とかが集まった。
ほぼ、
ボランティアに等しい商店街のヒーローショーを、
彼らは、
子供たちの為にと言って、
出来る限りのことをしようと張り切っていた。
マサキは、
これらの話しをした後、
人が足らないからヨウイチに協力してくれと頭を下げた。
ヨウイチは驚いて、
特撮よりも盗撮の方が興味があると、
馬鹿な断り方をした。
マサキは主演料払うからと強引に頼みまくるので、
現場を視察してから決めるとヨウイチは答えた。
心では、
現場に行ってすぐに断るシナリオやったらしい。
現場視察当日。
マサキの言ってた商店街が、
遠い地方にあることから、
ヨウイチは、
電車に乗ってやって来た。
そして、
マサキに断ろうとしたら、
商店街のオヤジの娘が、
ヒーローショーの演出をすることを知った。
そして、
この娘が、
スマイレージ(現アンジュルム)のあやちょ(和田彩花)似やったことで、
ヨウイチは、
主演することを決めた。
ヨウイチはマサキに、
「俺はナンの怪獣なの?」と尋ねると、
マサキは、
「お前はウルトラセブンや」と言ったので、
ヨウイチはヒーローショー初体験者の自分がいきなりヒーローはまずいと言ったが、
どういう訳か、
ヒーローショーに参加する面々は、
ヨウイチにウルトラセブンを勧めるんやった。
更に、
商店街のオヤジのあやちょ似の娘サナから直々に、
「ウルトラセブンお願いします」と頭を下げられたので、
ヨウイチはOK🙆♂️した!
ちなみに、
このヒーローショーの主役はウルトラセブンというところも、
ヨウイチは疑うことなく承諾したんやった。
ヒーローショーには、
動きが鈍そうな怪獣が6体とザラブ星人、
ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラの父、ウルトラマンアグルのみやったから、
ヨウイチは怪訝な様子を見せ、
心の中で、
「ナンや😳このアンバランスは😳😳」と呟いた。
怪獣は新人劇団員、
ザラブ星人はオヤジの娘サナ、
ウルトラマンは特撮マニアの男子高校生、
ウルトラマンアグルはマサキ。
そして、
ウルトラの父は、
アトラクション会社の元社員の水牛みたいなツラしたオンナやった。
ヨウイチは心で、
「素に怪獣出来るのに」と呟いた。
水牛オンナはそんなヨウイチの心の声に気付いたように、
「25年間、ウルトラの父を演っています」と挨拶した。
ヨウイチは心に、
「そこまでこだわるキャラか⁉️」と毒づいた。
最後に、
ヒーローショーの司会は、
やっとで日本語が喋れるようになったフィリピン🇵🇭女やった。
現場監督サナによるストーリーラインが知らされた。
それは、
とある宇宙の惑星の寺の坊主が全宇宙の平和を祈願しようと経文を唱えたら、
間違って、
怪獣を呼び出す経文やったことから話が始まることになっていた。
さすがにヨウイチは、
家に帰ろうとしたが、
マサキが子供相手やし、
ストーリーよりもアクションやからと説得した。
最初はスーツ無しのアクションを練習させられ、
いざアトラクスーツを着て、
ヨウイチはすべてを知った。
ナンでみんな、
ウルトラセブンをやりたくなかったかを------😱
ウルトラヒーローのスーツは、
ラバースーツというゴム製で、
スーツの中は、
絶叫クラスの暑さやった。
おまけに、
目の部分が、
曇って見えづらくなる。
それに比べて、
怪獣はぶらぶらと歩いて、
勝手にやられるだけやった。
ウルトラセブンは主役やったので、
他のウルトラヒーローの数倍のアクションが要求され、
しかも、
手袋が薄いので、
怪獣を殴れば激痛が走るんやった。
更に、
怪獣の攻撃されたら、
凄まじく激痛に苦しんだ。
分厚い怪獣の着ぐるみとラバースーツのウルトラセブンでは、
こうなって当たり前やった。
サヤが入ってるザラブ星人に、
どさくさに紛れて抱きつこうとしたら、
タマに蹴りを入れられた。
そしてフィリピン女は、
この部分まで親切に観客に説明した。
ヒーローショーは、
子供より大人が目立っていたことも、
ヨウイチを驚かせた。
ショーが終わって、
ウルトラセブンのスーツを脱ごうとしたが、
汗でへばりついて脱げないので、
怪獣数体が、
脱がせるのに協力した。
更にブーツからは、
大量に溜まった汗を外に注ぐほどやった🙀
本来なら、
ショーの途中で、
何度か気絶しそうになってたのを、
サヤのザラブ星人は抱き付く目的でもったようなもんやった。
このまま水風呂に入ろうとしたら、
サヤが来て、
「握手会あるからウルトラセブンにまた着替えてね」と優しく言った。
ヨウイチは泣きそうに、
「7秒ルールにしてね」と言って、
ウルトラセブンのスーツを再び着用した。
怪獣を演じてたモン達は、
涼しげに、
会場の後片付けを始め、
ウルトラヒーロー達は、
ウルトラの父とアグル以外は、
失神5秒前状態でのヒーロー握手会やった。
すべてのスケジュールが終わった。
ヨウイチは、
生死を彷徨う表情浮かべながら、
座り込んでいた。
そこにマサキが来て、
うれしそうに走り回る子供たちを見て、
「あどけないよな。子供は裏切れないぜ」と言った。
ヨウイチは、
「そうだよ。大人に成長した時に裏切らないとな」と言った。
マサキはヨウイチにうれしそうに、
「本当にありがとう😊」と言うと、
ヨウイチは、
「百万回死にそうになったうえにザラブ星人にタマを蹴られたぜ」と呟きながらも、
「イイ思い出になったよ」と言い添えた。
ヨウイチは当時を思い出して驚く。
ヒーロー握手会の後でマサキにもらったレモン🍋がみかん並に甘かったことを。
あれから11年。
ヨウイチは当時の思い出にと、
自分が着用したウルトラセブンのアトラクスーツをもらったが、
自分の染みついた汗の刺激臭から、
密閉保存してると言う。
そして、
そのうち、
ショタ錦かホモクロに高値で売り付けようと、
目論んでいる。