ケイシロウとトークアバウト

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言えない家の話😢

2022-08-11 23:40:00 | 日記



(画像はイメージです)

独学で建築学を学んでいた男がいた。
この男はマイホームが欲しかったけど、
そんな金はどこにも無かった。
やから、
安く材料費を購入して、
自分で建てようと無謀なことを思い付いた。
ズバリ、
自分が学んだ建築学の知識が、
この問題を解決すると信じていた。
そして、
幅を狭くして建てれば問題ないという根拠なき楽観さも、
マイホーム建築実現の夢を後押しした。

男は幅の狭い家の建築を始め、
そして、
長い月日をかけて、
マイホーム完成間近となった時、
四拍子建築の大家であるヨン親方の弟ヨイヨイが、
やって来た。
男は、
茶髪七三分けにしてしめ縄鉢巻をしたヨイヨイを、
奇妙な面持ちで見つめた。
ヨイヨイは、
「土とお家の中心がズレてマァしぃ~っ!フォームだけではお家は建たないマァしぃ~っ!」と言ったが、
男はスルーした。
ヨイヨイは呆れ顔で立ち去った。

この出来事の翌々週、
遂にマイホームが完成した。
幅は狭かったけど、
男の喜びの心は広かった。

一週間が経過した。

台風が来るとの情報に、
慌ただしい1日となった。
とにかく、
家の中でおとなしくするのが一番と考えた男は、
台風直撃の中にあっても、
取り乱すことはなかった。

が、
「ズドーン❗️❗️」という衝撃音とともに、
家の天井が横になり、
同時に家具類も押し寄せた🙀
運良く無傷で済んだ男やったけど、
心は生傷だらけやった。

台風が過ぎた朝、
男は、
横倒しになった洋服ダンスに上がって、
上方の玄関ドアを開けて、
外に出た。

男はしばらく、
倒れたままの家で、
生活していたが、
役所からの苦言と、
近所住民のせせら笑いの中で、
マイホームを諦めた。

現在、
男は、
住宅ローンを組んで、
ヨン親方に新居を建ててもらったという。