
阿武隈川河沿いの少し開けた川岸に、20羽の以上の白鳥とその何倍もの鴨たちが集っている
場所を偶然見つけた。灰色の羽毛をまとった白鳥の子も数羽交じっている。翼を広げ、伸び
上がり、じゃれあい、咽を震わせ、水に漂うその白鳥たちの中に、右の翼が大きくねじれた
一羽の白鳥がいるのに気ずいた。
翼の羽根が損なわれた骨がむき出しになっている姿は、何本もの
矢が突き刺さったように見える。それが何を意味するのか記すまでもない。夏も冬もここを
動くことなく、ときたま現れる人間たちから食べ物を貰い続けて行くしかないだろう。一人
の少年がその翼の折れた白鳥をじっと見ていた。
その手には食パンが握りしめられている。「あの白鳥はもう飛べないかも知れないね」。へ、
そうなの?と少年は答えた。「でもこれはあっちの灰色の子にあげる。だってあの灰色の子は
まだ子供でしょ」。そう言って、少年はその白鳥から目を離した。翼の折れた白鳥から目を離
せずにいる僕の中で、少年の言葉がぐるぐるまわり続けた。 3・11After 鷲尾記者
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