「後期高齢者医療制度を廃止する」ことについて賛成のひと?野党側の議員は全員がイエス。与党側の議員は全員がノーと回答した。これは与野党の国会議員が出演した、みのもんた氏司会のテレビ番組での一コマで、聞かれたことにイエスかノーで答えるといった内容のものだった。
後期高齢者医療制度はこの4月から始まった。「複数の病気にかかり治療が長期化する」「認知症の方が多い」「いずれ避けることのできない死を迎える」というのが政府の言うこの制度をつくった理由だった。その理由も理由だがその中身も本当にひどくてこれでどうして安心して年をとることができるのかと言いたくなることばかりだ。
麻生首相は所信表明演説で「高齢者に納得していただけるよう1年をめどに見直しを検討する」とされた。でもそれって制度の継続を意味することになりなぜ高齢者をそこまで別枠に考えようとするのかそこが一番の問題だと思ったのです。
厚生労働省の試算では2015年度には医療費全体の3億円の削減額のうち2億円を、2025年度では8兆円の削減額のうち5兆円を75歳以上の医療費削減で捻出するとしています。要するに75歳以上の高齢者の医療費を大きく削りたいということになる。
医療費とは病院や診療所で医療にかかった費用。医療とは病気やケガを治すこと。すなわち病気やケガを治すためにかかった費用を削るとは病気やケガを治すための医療行為を削るということになる。
実際に病気の予防、外来、入院、終末期・・・どうなってしまうのかというと
健康診断が行政の義務からはずされて、定額制(包括払い)が糖尿病や高血圧などで診療所に通院している人に導入された。退院のかたたきとなりそうな後期高齢者退院調整加算がつくられ、後期高齢者終末期相談支援料?!!なるものも導入された。
定額制(包括払い)は対象となる医療をさらに拡大するとしている。定額制は医療機関が行ったそれぞれの医療行為に対して診療報酬が支払われるのではなく、いくら医療行為を行っても一定額の診療報酬しか支払われないというもの。手抜き診療が行われると心配する声が上がっている。2008年は一部の導入にとどまったけど、この定額制は大問題になると思っている。
戦争をしないと決めたのに年間5兆円もの軍事費、2500億円もの米軍への思いやり予算、支持しているしていないに関わらず各政党に分配されてしまう320億円もの政党助成金、大企業・大資産家へのゆきすぎた減税対策などなど。こういったところの予算の使いみちをぜひ改めるべきだと思う。そして大切な税金は医療制度などにこそお金を回すべきで、そうすれば後期高齢者医療制度なんてやらなくてもよくなるということになる。
政府の言う「持続可能な医療制度」では健康や命さえもが持続可能とならない。後期高齢者医療制度によってくっきりとしてきていると思うのです。
この9月議会に小田原市議会では「後期高齢者医療制度の廃止等を求める陳情書」など同種類の陳情が3件上程された。残念ながら陳情に賛成したのは共産党の3名の議員のみという結果だった。
全国の日本医師会は見直しや廃止に全力をあげているが国会では参議院での廃止法案が通っている。衆議院での廃止法案の可決を目指したい