7月も10日
どこかの国がミサイルを打ち上げようが
スポーツ選手が引退しようが、日常は
淡々と過ぎてゆく。
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誰にでもいる、友達の友だちから聞いた
ありえねえよ~ な話です
友達の友だちシリーズ 第3話
「飲みすぎたリーマンの悲劇」
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Sさんは、ある会社の中堅管理職。
今日は用事で、福岡市にやってきました
行き先は中央区赤坂
さっそく渡辺通りの渋滞に巻き込まれてしました。
少し進んでは赤信号
めったに天神にクルマを乗り入れないので、
わき道も知りません
「まあ、急ぐ用事でもないし・・・」と
お気楽にかまえてましたが
だんだん、顔色がかわってきたのです
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そうです、トイレに行きたくなったのです
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昨日の夜は会社の飲み会
思わず飲みすぎて
今日は朝からクルマの中で
お水をがぶ飲みしていたのです。
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うう
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どこかトイレは?
コンビニでも
思わず、クルマの中から
きょろきょろする、Sさん
・
でも
あるわけ無いのです
天神のど真ん中に
駐車場完備のコンビニなんてあるわけ無い。
かりにあったとしても、片側4車線のクルマの列を
強引に横切ってしまうなんて
Sさんにはできっこない芸当。
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最初は意志の力で、我慢していたが
もう限界だ。
ハンドルを握る手に汗がにじむ
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こんなことなら、昼食食べたとき
トイレに行っとけばよかった
いや
昨日 飲みすぎなければ
あんなに水を飲まずにすんだのに
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第一、飲みすぎたのは、部下のTが
盛んに酒を勧めたのが原因だ
Tのばかちんが!
会社に帰ったら、やかましくしかってやらなければ!
などと、思考が交錯して
あらぬことを思い描く。
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このままクルマの中で鹿ぶったら
ズボンは、べちゃべちゃ
もうそんな格好で、相手先の会社には行けん
俺は、何しにここまで着たのか?
「もうだめだ・・・出る」
薄れゆく意識の中でふと
助手席に眼を向けると・・・
あった!
いいものがあった!
それはさっきまで飲んでいたお茶の
空のペットボトル。
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Sさんはもう何にも考えず
ボトルのキャップを震える手ではずすと
その中に、出してしまった。
頭の中をアドレナリンが駆け巡り
開放感が広がる
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ふう~
死ぬかと思った
助かったぁ~
おれは何てラッキーな男だ
普段からマジメに働いているから
こんな時神様が助けてくれるんだよなぁ~
などと勝手に普段思いもしない
神様を持ち上げる。
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無事、仕事を終え帰宅。
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一風呂浴びて
ビールでもとおもい冷蔵庫の扉を開ける。
と
中に、どこかで見たようなペットボトルが。
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ん?
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わおっ!!
それは、昼間Sさんがクルマの中で
使った、○しっこ満タンのボトル。
奥さんが、ウーロン茶と思い入れておいたのだ。
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あぶなかった
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家族が、万一飲んだら・・
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風呂上りなのに
汗が吹き出たSさんでした
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その後、Sさんは
クルマの中に広口のペットボトルを
常備しているらしい
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そんなんなら、ちゃんとトイレ行けよ。
友達の友だちシリーズ 第一話 1月20日
第二話は、3月10日 にアップしてます