第12章 涙から明日へ ---後書き
『なぜ一人行くの……(以下略)』
(堺正章「涙から明日へ」)
宿題で提出した元の紀行文は原稿用紙6枚。
その2年後に、それを元にして改めて書き直そうと思ったのだが、どこまで記憶が残っているのか自信がなかった。
幸いにも、ジローがこの修学旅行を背景にした『破廉恥城始末記』なるユーモア小説を書いていたので、本人の承諾を得てそのノートを借り受けて、補完する形で使わせてもらった。元の紀行文ではそこからの抜粋もけっこう入れていたのだが、今回はその部分を全面的に削除。一部参考として使う程度とする。何しろベースになるテーマ自体が大いに異なっているので。
先にも書いたように、この紀行文形式にした段階で、当時印象に強く残っている歌を、ワンコーラス、短い歌では全曲書き並べる事で自分の印象風景の補完としていたのだが、ノートに載せるくらいならそれでもよかったのだが、さすがにこの場にそのままあげるのには抵抗もあって、ほんのさわりだけにすることに。
これでは本当に伝えたい事は伝えられないのだが仕方がない。
一応、載せた歌についてはデーターを上げるとともに、解説もつけておく、
・「北の国へ」
作詞・作曲:高石友也
高石友也の初期のシングル曲。
当時、労働歌や反戦歌を多く歌っていた高石だが、後に転向してカントリーソングを歌うようになったが、初期の頃から原風景としてのカントリー志向もあったことを匂わせる歌と言える。
・「私達の望むものは」
作詞・作曲:岡林信康
岡林信康のメッセージソングの代表曲。
望む物はAではなくBである、という内容が、後半になって逆転する。建前だけで生きていく事に疲れてしまうというのか。そういった心の叫びが見られる歌。
・「人生」
作詞:山上路夫 作曲不詳(京都地方の民謡)
「竹田の子守唄」で有名な赤い鳥がメジャーデビューするときに、このままの歌詞では問題があるからということで、歌詞が書き換えられて発表される。事実「竹田の子守唄」は長い期間、放送禁止曲指定されていたのだが、一般には要望が高く、最終的にはこの「人生」という歌を知るものはほとんどいない。けっこう良い歌詞なので、これ自体も気に入ってはいるのだが。
・「明日こそ別れを告げよ」
作詞:落合武司 作曲:加藤ヒロシ
京都の3人組フォークグループ「ザ・ムッシュ」の歌。この紀行文の第4章の中で、曲名だけ記した公害をテーマにした「坊やの絵」が有名。アングラレコードから数枚レコードを出し、深夜放送のDJもやって関西ではよく知られたグループだったが、全国的メジャーになることもなく解散。
余談だが、先日、解散コンサートの中古レコードを見つけて購入した。
・「オーブル街」
作詞:松山猛 作曲:加藤和彦
僕の好きなグループフォーク・クルセダーズのファーストアルバム収録曲。
・「恋人を捜そう」
作詞:原とし子 作曲:米山正夫
西郷輝彦は僕の世代の代表的アイドル歌手の一人。いわゆる元祖「御三家」。西郷か舟木かと世代を二分していたが、僕は隠れ西郷ファンだった。彼の歌の中で一番好きだったのがこの曲だった。深夜放送に何度もリクエスト葉書を書いていたので、この漢字を覚えてしまった。
・「ふるさとよおまえは」
作詞:永 六輔 作曲:いずみ たく
実はこの曲は一度も聞いた事がなかった。僕が高校1年の時の文化祭で先輩の誰かが歌っているのを聞いて、言い歌だなと記憶に残っていた。だから誰が歌っているのかさえ知らなかった。
ネットは便利な物で、今回この歌を検索して、一発でヒットする。歌まで流れてきたが、聞き覚えのない声だった。知らないはずだ。本物の歌を聞いたのはこの時が初めてなのだから。
・「僕の旅は小さな叫び」
作詞:山川啓介 作曲:渋谷毅
N社(今はP社)の製品のCMソング。ステレオセットを買うとおまけでこのレコードが貰えたという。だからその後にもレコード化されていない。
このレコードが欲しくてばかでかいN社のステレオセットを買ったのに、父の知り合いの電器屋はこのレコードをくれなかった。
・「北帰行」
作詞・作曲:宇田博
小林旭の歌で有名だが、多くの人が歌っている。「ほっきこう」で良いはずなのに変換されない。
・「追放の歌」
作詞・作曲:高橋照幸
「休みの国」というアマチュアフォークグループが歌っているのだが、僕は最初は楽譜だけでしか知らなかった。後にURCレコードのCDを買ったが、自分で楽譜から歌っていたのと若干違っていて、自分の解釈の方が良いと思っている。
・「ひとりぼっちの旅」
作詞:久二比呂志 作曲:はしだのりひこ
はしだのりひこという人物はあまり好きではない。当時はフォークルの残党という事で贔屓にしていたのだが、フォークルでの顛末・裏話を知るにつれて気に入らなくなってきた。でも曲は好きなのだが。
・「どうにかなるさ」
作詞:山上路夫 作曲:かまやつ ひろし
堺正章主演のTVドラマの中で、彼がギターを弾きながら何度も口ずさんでいた曲。番組に問い合わせが多く来たらしく、実は元はかまやつひろしが歌っている歌だ、ということで思いがけず元の曲が大ヒットする事に。
かまやつひろしの歌も悪くはないが、やはりTVで歌っていた堺正章の歌が好きだ。
・「今日までそして明日から」
作詞・作曲:吉田拓郎
卓郎が出てきた時、僕はフォークに見切りをつけていた時だったから、彼の歌に出会う事はなかった。だからかなり遅れて彼の曲を聴いたのだが、最初に聞いたのがこの曲だった。岡林の叫びに似たような部分もあり、まったく違うものでもあり、時代の違いを感じる。
・「涙から明日へ」
作詞:小谷 夏 作曲:山下毅雄
それ以外に、歌詞は書いていないが題名だけ拝借したのが「もう25分で」。
これはフォークルのさよならコンサートで歌われたコミックソング。
この題名だけを書きたくて、わざわざ時計を見てその瞬間を記憶に残した。
個人史の中で、たまたま思い出を書き連ねていたということで、この紀行文を書き直して載せる。当時の印象や心象風景がいろいろ蘇ってくる。
アルバムには写真もいくつもあるので、写真集もスキャナで読み込んでアップしてみたいとは思っているが、いつのことになるやら。
原文 1972年11月26日
『なぜ一人行くの……(以下略)』
(堺正章「涙から明日へ」)
宿題で提出した元の紀行文は原稿用紙6枚。
その2年後に、それを元にして改めて書き直そうと思ったのだが、どこまで記憶が残っているのか自信がなかった。
幸いにも、ジローがこの修学旅行を背景にした『破廉恥城始末記』なるユーモア小説を書いていたので、本人の承諾を得てそのノートを借り受けて、補完する形で使わせてもらった。元の紀行文ではそこからの抜粋もけっこう入れていたのだが、今回はその部分を全面的に削除。一部参考として使う程度とする。何しろベースになるテーマ自体が大いに異なっているので。
先にも書いたように、この紀行文形式にした段階で、当時印象に強く残っている歌を、ワンコーラス、短い歌では全曲書き並べる事で自分の印象風景の補完としていたのだが、ノートに載せるくらいならそれでもよかったのだが、さすがにこの場にそのままあげるのには抵抗もあって、ほんのさわりだけにすることに。
これでは本当に伝えたい事は伝えられないのだが仕方がない。
一応、載せた歌についてはデーターを上げるとともに、解説もつけておく、
・「北の国へ」
作詞・作曲:高石友也
高石友也の初期のシングル曲。
当時、労働歌や反戦歌を多く歌っていた高石だが、後に転向してカントリーソングを歌うようになったが、初期の頃から原風景としてのカントリー志向もあったことを匂わせる歌と言える。
・「私達の望むものは」
作詞・作曲:岡林信康
岡林信康のメッセージソングの代表曲。
望む物はAではなくBである、という内容が、後半になって逆転する。建前だけで生きていく事に疲れてしまうというのか。そういった心の叫びが見られる歌。
・「人生」
作詞:山上路夫 作曲不詳(京都地方の民謡)
「竹田の子守唄」で有名な赤い鳥がメジャーデビューするときに、このままの歌詞では問題があるからということで、歌詞が書き換えられて発表される。事実「竹田の子守唄」は長い期間、放送禁止曲指定されていたのだが、一般には要望が高く、最終的にはこの「人生」という歌を知るものはほとんどいない。けっこう良い歌詞なので、これ自体も気に入ってはいるのだが。
・「明日こそ別れを告げよ」
作詞:落合武司 作曲:加藤ヒロシ
京都の3人組フォークグループ「ザ・ムッシュ」の歌。この紀行文の第4章の中で、曲名だけ記した公害をテーマにした「坊やの絵」が有名。アングラレコードから数枚レコードを出し、深夜放送のDJもやって関西ではよく知られたグループだったが、全国的メジャーになることもなく解散。
余談だが、先日、解散コンサートの中古レコードを見つけて購入した。
・「オーブル街」
作詞:松山猛 作曲:加藤和彦
僕の好きなグループフォーク・クルセダーズのファーストアルバム収録曲。
・「恋人を捜そう」
作詞:原とし子 作曲:米山正夫
西郷輝彦は僕の世代の代表的アイドル歌手の一人。いわゆる元祖「御三家」。西郷か舟木かと世代を二分していたが、僕は隠れ西郷ファンだった。彼の歌の中で一番好きだったのがこの曲だった。深夜放送に何度もリクエスト葉書を書いていたので、この漢字を覚えてしまった。
・「ふるさとよおまえは」
作詞:永 六輔 作曲:いずみ たく
実はこの曲は一度も聞いた事がなかった。僕が高校1年の時の文化祭で先輩の誰かが歌っているのを聞いて、言い歌だなと記憶に残っていた。だから誰が歌っているのかさえ知らなかった。
ネットは便利な物で、今回この歌を検索して、一発でヒットする。歌まで流れてきたが、聞き覚えのない声だった。知らないはずだ。本物の歌を聞いたのはこの時が初めてなのだから。
・「僕の旅は小さな叫び」
作詞:山川啓介 作曲:渋谷毅
N社(今はP社)の製品のCMソング。ステレオセットを買うとおまけでこのレコードが貰えたという。だからその後にもレコード化されていない。
このレコードが欲しくてばかでかいN社のステレオセットを買ったのに、父の知り合いの電器屋はこのレコードをくれなかった。
・「北帰行」
作詞・作曲:宇田博
小林旭の歌で有名だが、多くの人が歌っている。「ほっきこう」で良いはずなのに変換されない。
・「追放の歌」
作詞・作曲:高橋照幸
「休みの国」というアマチュアフォークグループが歌っているのだが、僕は最初は楽譜だけでしか知らなかった。後にURCレコードのCDを買ったが、自分で楽譜から歌っていたのと若干違っていて、自分の解釈の方が良いと思っている。
・「ひとりぼっちの旅」
作詞:久二比呂志 作曲:はしだのりひこ
はしだのりひこという人物はあまり好きではない。当時はフォークルの残党という事で贔屓にしていたのだが、フォークルでの顛末・裏話を知るにつれて気に入らなくなってきた。でも曲は好きなのだが。
・「どうにかなるさ」
作詞:山上路夫 作曲:かまやつ ひろし
堺正章主演のTVドラマの中で、彼がギターを弾きながら何度も口ずさんでいた曲。番組に問い合わせが多く来たらしく、実は元はかまやつひろしが歌っている歌だ、ということで思いがけず元の曲が大ヒットする事に。
かまやつひろしの歌も悪くはないが、やはりTVで歌っていた堺正章の歌が好きだ。
・「今日までそして明日から」
作詞・作曲:吉田拓郎
卓郎が出てきた時、僕はフォークに見切りをつけていた時だったから、彼の歌に出会う事はなかった。だからかなり遅れて彼の曲を聴いたのだが、最初に聞いたのがこの曲だった。岡林の叫びに似たような部分もあり、まったく違うものでもあり、時代の違いを感じる。
・「涙から明日へ」
作詞:小谷 夏 作曲:山下毅雄
それ以外に、歌詞は書いていないが題名だけ拝借したのが「もう25分で」。
これはフォークルのさよならコンサートで歌われたコミックソング。
この題名だけを書きたくて、わざわざ時計を見てその瞬間を記憶に残した。
個人史の中で、たまたま思い出を書き連ねていたということで、この紀行文を書き直して載せる。当時の印象や心象風景がいろいろ蘇ってくる。
アルバムには写真もいくつもあるので、写真集もスキャナで読み込んでアップしてみたいとは思っているが、いつのことになるやら。
原文 1972年11月26日