私は訪問してリハビリを提供する仕事をしています。
昨日は進行性の難病に罹患されている60代の男性の所へ伺いました。
元々、独居の方でしたが、進行に伴い今は施設で暮らされています。
その方はいつも“こんな病気になるはずじゃなかった”と病気になった事を悔やまれています。
その病気は生活習慣病や遺伝要因でなる病気ではありません。
なぜ自分なのか?という気持ちになるのも当然です。
私は「〇〇さんは病気になってなかったら、どんな生活をしていたのか?」と聞いてみました。
すると、しばらく無言の後、「酒を飲んでいた」と返答がありました。
もちろん、嗜好品であるお酒が病気のため(禁酒の施設)飲めなくなったのは辛い事実です。
しかし、在宅で暮らしていた時からお酒は飲まれていませんでした。
若い頃は仕事を情熱を注ぎ、仲間とお酒をよく飲んでいたと前にお話しされていました。
つまり、この方は病気の有無はあまり関係なく、
若い頃を懐かしみ、引退してからは情熱を注ぐものを見つけられなかったのかもしれません。
または、何気ない日常に幸せを感じることができていなかったとも考えられます。
“メメント・モリ”という言葉があります。
メメント・モリとは、「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」「死を想え」という意味を持つラテン語の言葉です。
現代では主に「死を意識することで今を大切に生きることができる」という解釈で用いられることが多いです。
ご利用者の方で「もういつ死んでもいい。」
「早く死にたい」と言われる方がいます。
本音だと思います。
本音だと思いますが、10年後が寿命だとして、5年後に5年前にもっとこんな事をやっておけばよかったとならないように、
“メメント・モリ”を忘れないように『今』の幸せをみつけられるようにサポートしたいです。
また自分自身も今の幸せにフォーカスして生きていきます。